バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #234 2010.4.17 O.A.

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ナックル姫・吉田えり 18歳の新たなる挑戦
昨年、日本の独立リーグで高校生にして日本初の女性プロ野球選手となった吉田えり。吉田は魔球ナックルボールを武器に男性選手と対等に渡り合い、その実力はプロにも通用することを証明した。そんな彼女が更なる高みを目指した。それは、アメリカへの挑戦。毎年1月下旬から2月にかけて行われるウィンターリーグは「アメリカでプロになる」という夢を持った選手が世界各国から参加する長期トライアウト。 “メジャーリーグに入って通用するナックルボーラーになりたい” その夢が諦められず、吉田は1月、アリゾナ州へ渡った。

1月29日、アリゾナウィンターリーグ開幕。開幕戦の先発投手に指名された吉田は、得意のナックルで1回を無失点で切り抜けた。だが続く2回で思わぬことが起こった。日本製のものより粘り気が多いロージンバックが手に馴染まず、吉田はナックルのコントロールを失ってしまったのだ。開幕戦の後、ナックルがまともに投げられなくなってしまった吉田。しかし、2試合目以降からはストレートとカーブを主体にマウンドに上がり、まずまずのピッチングを見せた。吉田は最善を尽くし、ドラフト会議の結果を待った。

そして2月26日、吉田はアメリカ独立リーグのチコ・アウトローズからのドラフト指名を勝ち取った。だが、嬉しい気持ちと同時に不安が彼女を襲った。“ナックルを取り戻さなければ自分は通用しない” 吉田は、ある人物に会いにフロリダへ向かった。それは、ボストン・レッドソックスのウェーク・フィールド選手。かつて、男子と一緒に野球を続けるのは無理だと諦めかけていた頃、野球を続けるきっかけを作ってくれた憧れのナックルボーラーだ。吉田はウェーク・フィールドの指導を必死に体に叩き込んだ。

日本に戻った吉田は契約合意を待ちながらナックルの調整を何度も行った。そして4月8日、待望の日がやってきた。チコ・アウトローズからの契約書が届いたのだ。日本初、そして野球の本場アメリカで2人目のプロ契約を結んだ女性選手という快挙を成し遂げた吉田えり。18歳の新たな挑戦は、まだ始まったばかりである。
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