バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #233 2010.4.10 O.A.

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元ミスター阪神が戦力外通告
“野球を続けたい”今岡誠 35歳
2009年1月、甲子園の室内練習場で行われた12球団合同トライアウト。その会場にかつて首位打者、打点王に輝いた一人の男の姿があった。今岡誠、35歳。打撃タイトルまで取った選手がトライアウトに参加するのは極めて異例なこと。今岡はなぜ過去の栄光やプライドをかなぐり捨ててまで、現役にこだわったのか?

昨シーズン、今岡は開幕からわずか2ヶ月で2軍に降格。その後、一度も1軍に上がることなく、チームから引退試合を勧められた。それは事実上の戦力外通告だった。今岡は野球を諦めることができなかった。しかし、スター選手ゆえの苦悩に苛まれた。「お世話になった阪神タイガースを離れてまで、野球を続けてもいいのか?球団を、阪神ファンを、裏切ることになるのではないか?」。1ヶ月間悩み続け出した結論は阪神を去ってでも現役続行を模索する道だった。

トライアウトから1週間後。千葉ロッテマリーンズが春季キャンプで入団テストをしてくれることになった。今岡は入団テストに向けたトレーニングを開始した。練習場所は公立高校のグラウンド、キャッチボールの相手は事務所のマネージャー。これまでの野球人生を振り返ると考えられないほど寂しい環境だったが、先にある希望を見据えて打球を打ち込んだ。

2010年2月。千葉ロッテの春季キャンプに参加。与えられたのは背番号のないユニフォーム。それは今岡がテスト生であることを如実に表すものだった。テストはチームに混じり、他の選手と同じ練習メニューの中で行われた。そして、持ち前のバッティングセンスを発揮した今岡は見事現役続行への切符をもぎ取った。新シーズン開幕。今岡は復帰初打席で見事ヒットを放った。一時は引退まで考えた男が、新天地で確かな自分の居場所を掴んだ。
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