バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #173 2008.11.13 O.A.

バックナンバー
日本一奪還を目指す巨人の救世主 山口鉄也 〜後編〜
今シーズン67試合に登板し、巨人の中継ぎの柱として、獅子奮迅の活躍を見せた、山口鉄也、25歳。山口は育成枠から巨人に入団し、日本シリーズに出場するという史上初めての快挙を成し遂げた。ピンチに強いイメージがある山口だが、1軍に昇格したばかりの頃は、フォアボールで自滅することが珍しくなかった。そんな彼を変えたのは、原監督の言葉。去年5月、プロ入り初勝利を上げた時、監督から手渡されたウィニングボールには、こう書かれていた。『貴君の野球人生は、スタートしたばかり。夢と希望へ。』監督からのメッセージは、今も山口を支えている。

しかし、そのボールは今、山口の手元にはない。山口は自分を支えてくれた両親に、人生の宝物と言える初勝利のボールをプレゼントしたのだ。これまで何度もギリギリの場面でチームの危機を救ってきた山口。両親は、息子が登板すると、いつも不安でたまらなくなるという。山口は日本シリーズでも重要な場面でマウンドに送られた。2勝2敗。勝てば王手がかかる第5戦。この日、両親は自宅のテレビの前に、祈るような思いで座っていた。

巨人先発はエース上原浩治。2対1で西武に1点リードされた4回裏、誰もが上原が続投すると思っていた中、原監督は山口に運命を託した。2アウト後、迎えたバッターは、このシリーズ大当たりの3番中島。一発が出れば、一気に西武のペースになる正念場。カウント2-1からの4球目、山口は渾身のストレートで見事、三振に切って取り、西武に傾きかけた流れをせき止めた。この試合に巨人は逆転勝ち。日本シリーズ優勝に王手をかけた。

しかしその後、巨人は本拠地、東京ドームでの第6戦を落とし、第7戦も終盤逆転を許してしまう。第7戦、山口はマウンドに立つ機会はなく、2008年の戦いは終わった。多くのファンに夢を見せてくれた山口の行く手には、必ずや待っているだろう。誰もが味わうことができない、輝かしきもう一つのバース・デイが。
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