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BACK NUMBER #168 2008.10.9 O.A.

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荻野正二 人生をバレーボールに捧げた男の最終章
戦い終えた男は一人涙を流した。北京五輪、日本男子バレーキャプテン、荻野正二38歳。彼は全日本のユニフォームを着て戦うのはこれで最後と心に決めていた。そんな荻野の願いは、自らの魂を次の世代に継承すること。

1992年のバルセロナ五輪で若手のホープとして活躍した荻野。しかしその4年後、荻野の世代がチームの中軸として成長し、臨んだアトランタ五輪は、まさかの予選敗退。東京五輪から7大会連続で出場した栄光の歴史を途絶えさせてしまった。その後、日本男子バレーはシドニー、アテネともに予選敗退。屈辱の時代が続いた。

「若い後輩たちに五輪の舞台を経験させてやりたい」。その強い思いで荻野はチームを率い、北京五輪への切符をもぎ取った。

そして8月、荻野にとって16年ぶりの五輪での戦いが始まった。日本は予選リーグA組。6チーム中、上位4チームが決勝トーナメントに進出できる。荻野は全身全霊でチームを引っ張り、コートで誰よりもチームを盛り上げた。しかし、世界の壁は高く、日本は初戦から3連敗。4戦目の相手、ベネズエラに勝たなければ、予選敗退が決まるところまで追い詰められた。

そして、大事な一戦を迎えた。妻の悦子さんも応援に駆けつけた。試合は序盤からベネズエラのペースで進み、日本は2セットを奪われる。第3セット、ついに植田監督は荻野を投入した。荻野の起用が試合の流れを変え、ゲームは一進一退の攻防に…しかし勝利の女神が日本に微笑むことはなかった。

もう荻野が日の丸を付けて戦う姿を見ることはないだろう。しかし彼の戦ってきた姿は次の世代につながっていくに違いない。
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