スペシャル対談:日曜劇場『A LIFE〜愛しき人〜』

TALK スペシャル対談

vol.3 木村拓哉さん+木村文乃さん
Q. 共演前と共演後の印象は?

木村拓哉さん(以下、敬称略)
何かありますか?

木村文乃さん(以下、敬称略)
共演前は"キムタク"さんでした。共演後は"スター"です!

拓哉:
何それ(笑)。

文乃:
撮影現場でも番宣でもご一緒させていただき、「なるほど。スターになるっていうのはこういうことなんだ」という万全の状態で挑む姿勢を間近で見て、その準備なくしてスターにはなれないんだということを学ばせていただきました。

拓哉:
オペは準備で全て決まるんで(笑)

文乃:
劇中でもおっしゃってますよね。それを学ばせていただいたなと思いました。

拓哉:
今回、このドラマのチームで『フレンドパーク』に参加することになっていたので「やるからには…!」という気持ちがありました。でも、自分よりもより闘志燃やしてたのはケンケン(松山ケンイチさん)の方だよ!

文乃:
そう、静かに闘志燃やされる方ですよね。あのポーカーフェイスで「悔しいですね」とか。

拓哉:
ずっと言ってたよ。コーナーのセッティングチェンジ中も「木村さん、逃げる立場より追う立場の方が強いっすから。大丈夫っすよ。木村さん、いけますよ!」って(笑)。

文乃:
でもそうですよね。そういう気持ちでいないと絶対勝てることはないんだなと。
私どちらかというと、勝負は無理です。だから肝心なところで失敗するんだろうなぁ。

拓哉:
ご一緒する前は“女性らしくて女性からも愛される女性”そういう方なんだろうなって思っていました。撮影入る前、キャストたちでお食事させてもらう機会があって、そのときに、女性らしすぎず、しっかり食らいつく方だと思いました。今回ドラマで、オペナースの柴田由紀ってキャラクターを演じられているけど、食事のその席では、半分柴田さんになっていたというか…

文乃:
ちょっと、前のめりすぎですよね…

拓哉:
その前のめりな感じが意外でした。もっとおっとりして、ほわっとふわっとしている方かと思っていたから。「こうっすよねえ」って「こうしてった方がいいと思うんすよ」って“こうですよね”というより“こうっすよね”って感じ。

文乃:
すいません…もうちょっと態度を改めます…

拓哉:
いやいや。どちらかというと、僕はそういう方の方がすごく嬉しいです。

文乃:
「入る前から引かれていたらどうしよう」とか、よぎりましたけど…

拓哉:
引いてないですよ!全然引いてないです!

文乃:
よかったです

Q. 撮影中印象に残っていること
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文乃:
実は私まだ撮影して4日くらいなんです。
(年末対談の撮影当時)

拓哉:
そうだっけ。まぁ、まだ第1話も撮り終えてないからね

文乃:
そうですね

拓哉:
だから撮影中の印象的なシーンと言っても、挙げるに足らないというか…
材料がそんなに揃ってないような気がして…他の方のシーンのときは、現場にいないからなぁ

文乃:
あ!ひとつありました。沖田先生が、手術の方法を探すために大きなホワイトボードに色々書くシーンがあるんですけど。そこに後から私が入って来るというお芝居があって、沖田先生が一人悩んでいるそのそばに院内用の電話が置いてあったんです。私は「あれ?台本に電話なんてあったかな」って思ったんですけど、その後のやりとりのシーンで、実は、由紀が「何かあったら」と電話を沖田先生に渡していて、それを使って沖田先生が由紀を呼び出して、手術解決法にたどり着くという流れになっていました。そして、やはりその“院内用の電話”は台本には書かれていなくて、全部木村さんがご提案されたというのを聞いて「やっぱりトップであり続けるってそういうことなんだな」って感じました。あるものだけをやるんじゃなくて、自分からもどんどん提案して、より自然なものにつくり上げていく。そんな作業を目の前で見て体感してすごいなと。確か私との撮影初日だったんじゃないかな。

拓哉:
初日だったね。

文乃:
ご一緒させていただいた最初のシーンだったんですけど。つくるってそういうことだなって。現場にいないと分からないことだったので。学ばせていだたきました。

拓哉:
台本は1ページ1ページ読めるし、読み返す事も出来るから何の不思議もないんですけど、ドラマを観てくださる人は読み返すことは出来ないし、文字として読むことは僕らしか出来ないじゃないですか。そうなったときに「観てくれる人たちにとって繋がるかな、果たして柴田さんが突然現れることに何の違和感も無く観てくれるかな」って思ったんですよね。
医療ドラマを観ていると、入構証のように電話をポケットに入れてるじゃないですか。病院内で連絡がとれるものだし、手術の方法で悩む沖田を柴田さんがフォローしてくれるのであれば、その電話を渡すマインドがあってもおかしくないかなって。「なんかあったら使ってください」って置いてくれれば、すぐに使えて、繋がれて、一緒に解決方法に到達出来るかなと。
あと、この話は持ち道具(持ち物を用意するスタッフ。台本に書かれていない場合は用意をしていないこともある)の宮崎さんを一瞬焦らせたエピソードです!

文乃:
でも出てくるところが愛だな、と。

拓哉:
そうなんですよ!また宮崎さんがねえ何でも揃えてるんですよ!

文乃:
さすがだなぁ

拓哉:
「こういうのあったりする?」って言ったら「ありますよ」って。

文乃:
想定の範囲内

拓哉:
マスクをちょっとだけ下げて「ありますよ」って。

文乃:
わかるわかる!

拓哉:
安心していろんなことを要求出来るスタッフにも囲まれていて、何でも試せるなっていう。

文乃:
そうですねぇ…幸せですね。

Q. 座長であることの難しさ

文乃:
是非ご指導いただければと…

拓哉:
ないですよ!日によっては自分の撮影が無いスケジュールの日もあるし。
でも自分の撮影があって、その現場に一歩おはようございますって入って、お疲れさまでしたって言うまでは、ずっと現場にいるようにしてます。

文乃:
そうですね。(楽屋に)戻らないですよね!

拓哉:
(楽屋に)戻る意味が無いというか。どの人がどんなことをしてくれているのか個人的に感じたい。全員の名前と顔…顔は認識できるけど、細かい名前は正直、撮影が始まって2週間足らずなので、把握しきれていないけど、でもこういう人がこういうことやってくれているんだっていうのは感じていたいですね。

文乃:
何が凄いって、木村さんは本当にちゃんと見ていますよね。自分の目線から外れたら、見ないと思うんですよ。でもきちんと追いかけて“こいつがどういう人間か”っていうのを見定めているのは、やはり主演たるものの、あるべき姿なのかと。

拓哉:
別にそこは主演関係ないでしょ?

文乃:
今回、スタッフさんたちの動きが全然違います。無駄がない撮影っていうのはこういうことを言うんだろうなって思います。

拓哉:
でもそれはきっと今回の撮影監督をやってくれている中山さんの存在もあるだろうし、手を抜いている人がいないというところにもあるでしょう。俳優部としては、そこは張っていきたい。スタッフが本気でやってくれているから、そこを目の当たりにすると、こっちも本気でいかないとやばいなっていうのは常にあります。

Q. お互いに聞いてみたい事
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拓哉:
チラッと話には上がったんですけど、本当に始められるスタンスなんですか?海。

文乃:
はい、そうなんです。

拓哉:
以前、その話になったじゃないですか?

文乃:
色々聞かせてもらいました。何か聞いてしまうと止まらないですね。予行練習しています、頭の中で。以前は憧れているだけだったんですが、具体的になってきているので、デビューは早いです!

拓哉:
その時は全面的にサポートします。

文乃:
以前お話したときは、ドライスーツでダイビングを始めようと思ってる話をしていて、あの次の日くらいに早速行ったんです。

拓哉:
潜ったの?

文乃:
はい

拓哉:
すごい、こんなにアクティブな人だとは思わなかった。
この間、『ぴったんこカン・カン』でご一緒した時も、「食器を選びたい」って言っていて、食器を選ぶ人って絶対料理するじゃないですか。「料理される方なんだ、すげえ」ってポイントが1点入る。料理は1〜2点くらいだけど、ドライスーツ着て、今、海は冷たいですけど、ダイビングやるってなって、10点くらいポイントが入って、しかも「なんでダイビングなの?」の答えがまた「写真」とか言われると、さらに10点…仮装大賞だったら完全に合格ですよ!

文乃:
合格ですか?ヤッタ!!

拓哉:
ダイビングはもうしているんだよね?海には潜ってる派だし、タンクを背負って海に入るってことは、ライセンスを持ってるってことでしょ?

文乃:
はい、冷たい海にも入れるドライスーツっていうのがあって、それを着ると冬の海でも潜れるので、寒い海だろうが潜りたい!

Q. ●●のために、生きてきた

文乃:
物事には執着しないタイプなんですが、この仕事だけはすごく長く続いています。習い事も、わりとある程度まで出来てしまうと、もういいやって思ったりしてしまうんですけど、この仕事は終わりがない。いつまでたっても自分の技術は未熟だし、でも諦めずに、向かっていられる理由ってなんだろうって考えた時に、親孝行したいなって思いまして…

拓哉:
ええ子や…

文乃:
違うんですよ!母親が冗談で「あんたのせいで白髪が増えた」って歳の割に多い頭を触りながら言うわけですよ。そしたら、その白髪1本1本ってもう戻ってこないじゃないですか。黒い髪が白くはなっても、白い髪は黒くはならないから、女性だしそういうことを考えると、一生かけて返していかなきゃいけないなって。
以前、お正月に母親がハワイに行きたいって言ったことがあったんですが、そのために(母親が)4年間英会話にもきっちり通っていて…

拓哉:
やる気マンマンじゃん!

文乃:
「行こうよ!私全部チケットとるから」って言った次の日から入ってくる連絡が「モーニングコールしたほうがいい?」とか「お鍋とグラスと、あと何が必要?」とか英語で入ってくるようになったんです(笑)。

拓哉:
4年英会話通ったのはすごい。

文乃:
そうなんですよ。前に家族旅行で行ったことがあったんですけど、今度は自分で全部話せるようになってから行きたいっていう思いがあって、通っていたみたいです。 けど今回、実は行けなくなってしまい、全部キャンセルしたんです。でもキャンセルは仕事だから仕方ないので、また行ける時にって話だけど、その時に何が一番ショックだったって、母親がそれだけ自分で積み上げてきた努力を叶えてすら上げられなかったっていうことに、ショックが大きかった。「あと私何回大きい親孝行してあげられるんだろうな」って思ったら、続けられるだけ仕事を続けて、いっぱいお金稼いで、出来る親孝行全部して、「もうあんたの親孝行いいわ」って死ぬ時に言われたいと思って。この世界で生きている理由、それだなって思った…という、前置きが長くてすみません(笑)。

Q. このドラマのみどころを教えてください
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文乃:
まだ撮っていないですけど、始まる前から手術シーンのこだわりがすごく強くて、やるからにはちゃんとやりたいと思います。前に木村さんが「プロフェッショナルでありたい」っておっしゃっていた言葉がまさしくそうだなと。“あるある”という感じではなく、リアルにしたい。リアルを基準にして、どれだけドラマを入れていくか、その塩梅の話を木村さんと浅野忠信さんが一緒にお話している姿を見た時に「このドラマって絶対ソコがみどころだ」って思ったんです。手術シーンで血が出る、危機!とかだけではなく、医者がどうやって命を救おうとしているか、命と向き会おうとしているかという部分が他の医療ドラマにはないので、医療のプロフェッショナルの話になるんじゃないかなと、私は思っています。そこがみどころなんじゃないかなぁ。

拓哉:
それはきっと僕ら出演者だけじゃなくて、スタッフも共通意識だと思う。作品中で、色んなオペレーションシーンが出て来るんですけど、心臓だったりとか、消化器系だったり、脳だったり。実際に自分たちがやらなきゃいけない作業が、台本の中に描かれているので、こういう事をやるんだなっていうのはわかるけど、ただ“らしくやる”っていうだけじゃ済まされないと思っています。何度か実際のオペレーションを見学させていただいて。自分がスクラブに着替えたりすると急に、そんな知識もテクニックもないんだけど、「出来るんじゃねえかな!?」って気にさせてくれる。美術さんが作ってくれているセットもそうで、お互いに共通意識があるから、“こうしなきゃいけない”じゃなくて“こうしたい!”っていう気持ちにもなるんでしょうね。医療ドラマというくくりにはなるかもしれないけど、めちゃくちゃ胸張れるんじゃないかな。観てくださる人たちに。
元彼女だったり、幼馴染だったり、特殊な人間関係はストーリーの中で存在していますが、医療のパートに関しては“カタログ”と思っていただけるような作品になっていると思います。そうしていきたいですし。30年後、40年後に「俺、あれ観て医者になったんですよ」っていうお医者さんが居てくれるようなドラマになれば嬉しいです。

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