TBS 金曜ドラマ「うぬぼれ刑事」

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出演者放送前コメント

vol.09「長瀬さん、西田さん、宮藤さん、3ショット対談!」

お題は出しますが、基本フリートークです!

  1. お題 「 作・演出、宮藤官九郎 」
  2. お題 「 『 うぬぼれ刑事 』 が誕生したきっかけ 」
  3. お題 「 超恋愛体質 」
  4. お題 「 『 うぬぼれ刑事 』 の結末 」
  5. お題 「 最後に言っておきたいこと 」

1. お題 「 作・演出、宮藤官九郎 」

宮藤
知ってます (笑)。このお題、僕は話せないんで… どうですか?
西田
『 タイガー&ドラゴン 』 で初めてご一緒させていただきました。
宮藤
はい。
西田
そのときは脚本だけで演出はされていませんが…
宮藤
そうですね。
西田
宮藤さんの現代を射抜く眼差しに深く共鳴いたしまして、いつも “今” があるなと。
長瀬
うんうん。
西田
台本を開くと、“今”。落語のネタをやっていても “今がある”。それが、とても新鮮で刺激的でした。今回は演出もしていただけるとのことで楽しみにしていました。
宮藤
ありがとうございます。
西田
それで撮影が始まって、フットワークの軽い監督だなと。普通、スタジオ収録だと2階から (2階 : 副調整室) = 監督、音声、照明などのスタッフがモニターを見ながら指示を出す部屋) 「 え〜っと○○してください 」 とかスピーカーで指示出すでしょ。
長瀬
あはは。
西田
でも宮藤さんは、カンカンカンカンと階段を駆け下りてきて、直接指示を出してくれるんです。
長瀬
確かに!
宮藤
僕が役者として出ているときに、2階から 「 宮藤さん、○○で 」 と言われると 「 誰だよ!」 って思っちゃうときがあって… (笑)
長瀬
あはは。
西田
あはは。
長瀬
それ、監督ですよ!
宮藤
監督だって知っているんだけど、だんだんと遅い時間になってくると…
長瀬
イライラしてくる?
宮藤
誰に指示だしてるんだっけ?って、自分でもわけが分からなくなる。
西田
なるほど。
宮藤
あと、インカムを通して助監督さんに監督からの指示が入るんだけど、助監督さんのインカムから聞こえてくる監督の指示と、助監督さんの口から聞いた指示が若干違っていたりする事もあって…。
西田
そんなこともあるね。
宮藤
「 それ、今、監督から言われてないでしょ 」 って思ったりするから、言わなきゃいけないことは自分が下りて言うようにしています (笑)

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2. お題 「 『 うぬぼれ刑事 』 が誕生したきっかけ 」

宮藤
最初はタイトルかな? 「 ○○刑事 」 というのをやりたいなと思ったときに、出てきたのが “うぬぼれ”。
長瀬
結構、前から 「 うぬぼれ刑事 」 って言ってましたよね、宮藤さん。
宮藤
随分前から言ってましたね。
西田
“うぬぼれる” って、抽象的な刑事ですよね。僕、長瀬くんのナルシストがちょっと入った感じの演技が凄く好きなんです。
長瀬
ありがとうございます。
西田
『 タイガー&ドラゴン 』 の虎児とか
長瀬
あ〜
宮藤
今回、全編そんな感じです。
長瀬
全編それって…。
宮藤
何を言われてもニヤっとする。ナルシスト入ってます。
西田
何で “うぬぼれ” なの?
宮藤
何で “うぬぼれ” だったかは覚えてないんです。最初は語感だったのかな?
長瀬
「 うぬぼれ刑事 」 を思い描いたときから、うぬぼれは僕だったんですか?
宮藤
そのときは誰が演じるか考えてなくて、30歳前半くらいの人がいいなと。明らかにうぬぼれていられないような人が、いつまでも夢を見ている感じが。
長瀬
なるほど。
宮藤
「 うぬぼれ刑事 」 を考えているときは、長瀬くんは 『 真夜中の弥次さん喜多さん 』 とかやっていて若かったのに、いつの間にかうぬぼれに年齢が追いついちゃったんだよね。30代前半、あれ?長瀬くんいいじゃん、みたいな。
長瀬
へ〜。
宮藤
冷静に客観的な分析をしなきゃいけないのに、自分のことだけは全く分かっていない刑事っていうのが面白いかなと。
西田
なるほどね。犯罪心理学にも哲学にも通じるね。
長瀬
あはは。
宮藤
あはは。
長瀬
刑事ドラマの要素もあって、ラブストーリーの要素もあるし。
宮藤
そうですね。
西田
ちょっとオヤジの意見なんですけど、その、恋愛に、僕自身も絡んでくるという事はないんですか?
長瀬
あはは。
宮藤
あります (笑)
西田
ありますか!
宮藤
あります、あります!
長瀬
あはは。
西田
ありがとうございます。
宮藤
みんなが恋をしていく話ですから。
西田
いいね〜。世の中、冷めてるからね。もっと熱くなりましょうよ。
宮藤
冷めてますよね。
西田
冷めてるんですよ。
長瀬
確かに!
宮藤
第1話の里恵 (中島美嘉) とのシーンなんて、描写がいちいち懐かしい感じにしています。
長瀬
はいはい。
宮藤
車の前にドーンと出たり。でも、そういう熱さが今はないもんな。
西田
うん。
長瀬
ないですね。僕らは懐かしくて面白いと捉えるところも、若い子は見たことない描写がたくさんあるんだろうな。
西田
フレッシュだよね。
長瀬
何これ?って
西田
熱いものを感じるよね。
宮藤
下駄箱にラブレターが入っていることないわけですから。
長瀬
ないっすよ。今はメールですね。
西田
メールだね。
長瀬
冷めてるな〜。
西田
冷めてるな〜。
宮藤
ところで、おふたりは 『 タイガー&ドラゴン 』 以来ですか?
西田
そうですね。昔、『 竜馬がゆく 』 で共演したことがあって、長瀬くんは岡田以蔵を演じていて。
宮藤
へ〜。
西田
僕は勝海舟。
長瀬
そうなんです。僕は、勝海舟の護衛、弟子みたいな感じだったんです。
西田
そのときも長瀬くんは素敵だったね。とんがっていて、寡黙で…
長瀬
ありがとうございます (笑)。でも、それが 『 タイガー&ドラゴン 』 に反映されているというか、師匠と弟子の関係。
西田
そうだね。僕は長瀬くんがすごく好きなんだよね。
長瀬
僕も大ファンですよ。
宮藤
両想いですね。
長瀬
両想い (笑)
西田
両想い (笑)
西田
長瀬くんといると口角が緩んで、ニッコリしていられる。不思議なものですね。『 タイガー&ドラゴン 』 の冒頭はシビアに始まるんですけど、それをね、どんどんどんどんいわゆる宮藤官九郎ワールドに持っていく長瀬くんの演技が素晴らしくてね。
長瀬
ありがとうございます。
宮藤
僕は、落語の授業料を貰って借金を返す…
長瀬
喫茶店?
宮藤
そう。喫茶店のシーンがすごく好きでした。お二人とも伸び伸びと演じられていたじゃないですか。僕、台本には3、4行しか書いてないのに…
西田
楽しかったですね。
長瀬
僕も印象に残っています。
西田
長瀬くんはいつもフラットで穏やかで起伏がないですよ。妙にどっしりとしていて、僕が女性だったら、ちょっとね…
宮藤
え〜 !!
長瀬
(笑)
西田
かなり年上ですけど…
宮藤
(笑)
長瀬
(笑)
宮藤
性別は変わるのに、年齢はかわらないんだ!
西田
(笑)
宮藤
逆に長瀬くんはどうですか?
長瀬
喫茶店のシーンもそうですし、『 タイガー&ドラゴン 』 をやらせていただいたときの虎児という役は、周りの役者さんありきでできた役なのですが、その中でも西田さんは凄くデカかったなと思います。喫茶店のシーンにしても、台本のレールから外していくのは西田さんで…
西田
レールから外れる (笑)
宮藤
あはは。
長瀬
そのレールに乗るときの自分の好奇心は半端じゃなかったし、そこから奇跡のシーンが生まれたと思うと嬉しかったですね。『 タイガー&ドラゴン 』 が終わってしばらくしてからドラマを見返したりすると、西田さんに凄く会いたくなりました。
西田
俺もそうなんだよ !!
宮藤
あはは。本当に両想いですね。
長瀬
(笑)
西田
『 タイガー&ドラゴン 』 が終わって、長瀬くんに会いたいなと思ったことあったよ。でも、どうしようもないじゃないですか。普段は TOKIO として忙しいだろうから、「 新宿で会わない?」 とか、そういうのは…。
長瀬
仕事とプライベートは別みたいなところはあるんですけど、西田さんに会うと 「 師匠!」 と言いたくなっちゃうんですよね。
西田
えへへ。嬉しいな。
宮藤
(笑)
西田
僕たち2人の熱い思い出を宮藤さんが作ってくださったのよ。
宮藤
ありがとうございます (笑)。『 タイガー&ドラゴン 』 は、実際の親子じゃないのに、実際の親子よりも心が通い合っている関係だったのを、『 うぬぼれ刑事 』 は逆に実際の親子なんだけど、気持ちがずれている関係にしたいなと思いまして。お父さんに結婚相手に相応しいかを見て欲しくて連れてくるのに、「 あいつはクロだ。犯人だ 」 って言われてケンカになるっていうのをやりたいなと。長瀬くんのお父さん役と考えたときに、西田さんかなと…。
西田
それは本当にありがたいです。
宮藤
「 2人、付き合っちゃえばいいのに 」 みたいな (笑)
長瀬
あはは。
宮藤
僕がいつもセッティングしてる感じなんですけど…。
西田
これが鶴瓶さんだったら、嫉妬してますよ。
宮藤
(笑)
長瀬
あはは。

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3. お題 「 超恋愛体質 」

長瀬
うぬぼれのことですね。
西田
恋愛体質の人って元気ですよ。病気になりにくい。
長瀬
西田さんもあるんですか?
西田
僕は恋愛体質ですよ。とくに18〜23歳までが激しく恋愛体質でした。
長瀬
あはは。
宮藤
あはは。
西田
付き合うとすぐに結婚を申し込んでいたので、相手はいつも引いていました (笑)
宮藤
うぬぼれですね。
長瀬
うぬぼれと同じっすね。うぬぼれのお父さんにふさわしい (笑)
西田
それに、恋愛体質の人は大抵、サラっとしてない。
宮藤
あはは。
長瀬
でも、ある意味、うぬぼれもそういう感じなんですよね。
宮藤
そうなんですよ。
長瀬
それが仕事をうまくいかせてたり…。
宮藤
自分は彼女が欲しくて、結婚したくてやっていることが、図らずも出世につながっているというか。事件を解決してしまう。
西田
こういう感じで事件解決していく刑事ドラマって…
宮藤
ないですね。
西田
前代未聞だね。これは面白くなってきたぞ〜。
長瀬
あはは。

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4. お題 「 『 うぬぼれ刑事 』 の結末 」

長瀬
どうなんすか?
宮藤
どうしよう?
西田
今、監督の頭の中には?
宮藤
一応、向かっていく方向はあるんですけど、“うぬぼれ” がどうなるかって言うとこまでは…。例えば、結婚するとか殉職 (じゅんしょく) するとか…。
西田
もう、参っちゃうな〜。殉職は泣きますよ!
長瀬
あはは。
宮藤
あはは。
宮藤
『 うぬぼれ刑事 』 で殉職?って思うところをあえてやってみるとか。血まみれの婚姻届を市役所に出しに行くとか…
長瀬
無きにしも非 (あら) ずですね。
宮藤
「 ご結婚です 」 と同時に、殉職みたいな。絶対に無いから言いますけど (笑)
長瀬
あはは。
宮藤
でも、幸せになって欲しいなと思います。
西田
そうなんですよ!長瀬くんってね、ふっとした瞬間が幸薄い感じに見えるのよ。横顔とか…。
長瀬
そうなんすか?
西田
ちょっとね。ふっと寂しげな横顔を見せるのよ!
長瀬
僕が?
宮藤
あ〜。
西田
そこがまたキューンとくるわけよ。年上としては。
長瀬
かわいそうじゃないですか。
宮藤
そうですね。エネルギッシュに見えて、強さの中に弱さがあるみたいな。
西田
そうそう。
宮藤
確かに言われてみたらそうかもしれない。
西田
宮藤さんのセリフってわりと乾いたトーンが多いでしょ。それに、長瀬くんの濡れた感じを合わすといい感じになるんですよね。
宮藤
そうですね。
長瀬
発見っすか?
宮藤
発見!
長瀬
そうっすか。
西田
いいね〜。
長瀬
う〜ん。そうですか?
宮藤
長瀬くんはどうなって欲しい?
長瀬
そうですね。超エリートだった “うぬぼれ” がうぬぼれた人間になってしまったきっかけみたいなものに対して、うぬぼれ自身が決着をつけて欲しいなと。心の中に秘めている、うぬぼれの願望や夢みたいなものは叶って欲しいなと思います。それによって変わってほしくない部分もあるんですけど…。
宮藤
なるほどね。
西田
僕はね、ハリウッド映画って、とっちらかっていた事件も最後にはまとまって 「 イエーイ 」 とか言ってハッピーエンドで終わるものが多いじゃないですか。そういうのじゃなくて、日本人のメンタリティでいくと 「 ちょっと泣かせてよ 」 みたいなところがあるんです。宮藤ワールドで出来る “乾いた涙” ってやつ。
長瀬
乾いた涙を?
西田
君から乾いた涙をポツリと落とさせてみようか、みたいな (笑)
長瀬
でも、確かに宮藤さんっぽいですね。
西田
宮藤さんっぽいよ。
宮藤
“うぬぼれ” ってみんなに 「 うぬぼれ 」 「 うぬぼれ 」 って呼ばれてちょっとバカにされているじゃないですか。でも実は犯人たちも本当はうぬぼれのことが好きで、獄中で 「 あの刑事さんのことが忘れられない 」 みたいな?
長瀬
あはは。
西田
なるほど。
宮藤
出所したらかならず会いにくるとか?
長瀬
「 うぬぼれ 」 と呼ばれている時点でアイドル性ありますからね。
宮藤
「 あの人見てると飽きないよね 」 みたいな、そんな結末になればなと (笑)。決まっているところは決まっているんですけど、遊びがあるドラマなので。
西田
新しい切り口で刑事モノをやっているというワクワク感がいいよね。
長瀬
そうですね。
西田
これはきっといくぞ!
長瀬
どこに? (笑)
西田
どこかにいっちゃう (笑)

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5. お題 「 最後に言っておきたいこと 」

宮藤
僕が演出するのは、今のところ1話と2話だけなので先のことは言えないんですけど、おふたりのシーンは早く本番を撮りたくなるんですよね。何なら “テスト” もいらないくらい。
長瀬
あはは。
宮藤
だからおふたりのシーンは、巻く (撮影が早く終わる) と思います (笑)
長瀬
僕は監督としての宮藤さんとは2回目で、さっきおっしゃったように、役者としての経験があるので、分かりやすい言葉で説明してくれたり、2階から説明しに来てくれたりするので演じる側としてはやりやすいんですけど、宮藤さんが思い描いていることを100パーセント出来ているのかなと気になるときもあって…。そういう話って、あまりしないじゃないですか。
宮藤
しないですね。
長瀬
だから、そういうところはどういう風に考えているのかなと。
宮藤
意外と考えていないですよ、僕。
長瀬
そうなんですか?
宮藤
目の前で見て面白かったら、「 俺が考えてたの何だっけ?」 みたいになっちゃう。多少セリフを噛んでも、セリフがかぶってもいいじゃん、みたな。
長瀬
リアル?
宮藤
2回出来ないようなことが好きです。
西田
僕はね…。今、民放各局は50周年〜 55周年という枠どりの中、テレビも大人になってるわけですよ。でも、フレッシュな20代〜 30代の “モノをつくりたい” という意欲満々の人たちに委ねることによって、テレビが若返ることができる気がしています。テレビはモノづくりですから。オートマチックに作られているドラマが多い中、“手作り感”を感じるというか、みんなで作っているという実感を持てる現場を取り戻せたなという気持ちになりました。
長瀬
突破口になる、実験的なドラマですよね。
西田
そうなんです。
宮藤
ありがとうございます。がんばります。

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