東海林は臨床検査技師の仕事もUDIのことも、本当に好きなんだなと感じています。最初の人物説明にはプライベート優先で、毎日を楽しく過ごせたらそれでいいとありましたし、口ではそういうことを言いますが、実際は仕事にも仲間にもすごく愛情を持っているんじゃないかなと、回を重ねるごとに感じています。特に好きなところは、はっきりとものを言うところ。私はどちらかと言うと言えないタイプなんです。東海林は言える優しさと強さを持っていて、そこがいいなと思うし、演じていて気持ちがいいです。
台詞の掛け合いが面白い台本ですが、塚原監督が最初におっしゃったのが「それぞれでいてほしい」ということでした。同調せずに個々の役のカラーや温度感を大事に演じてほしいということですが、温度が違う人たちとテンポ良く会話するお芝居が、感触としてすごく新鮮で面白いです。それに、この現場は皆さん普段からどこかに役を持ったまま接している気がしていて、それがそのままいいチーム感につながっているのではないかと思います。私は「よく笑う」とか「テンションが高い」と言われていますが、それは東海林以外のUDIの4人のテンションが低めなので、引きずられないよう無意識に上げている、と自己分析しています(笑)。
2人の関係、すごくいいですよね。お互いに自分の仕事に全力で向き合い、かつパートナーとして協力を惜しまない。そして友達という関係ではない。実際、東海林はミコトの過去を知りませんが、たとえ知ったとしても同情はしないんじゃないかな。お互いのことを気にかけつつ、いい距離感を持った2人だと思います。
実はそれって、石原さんと私の関係とも似ている気がしています。同じ場所に居てそれぞれ違う何かに気がついて、それついて笑うこともできるし黙っても居られる。現場でいろいろな話をしている時も、お芝居の相談をする時も、そのまま東海林とミコトのような感じで、一緒にいて気持ちがいいです。
6話(2月16日放送)で東海林が大きな事件に巻き込まれます。撮影で特に忘れられないのが、今まで経験したことのない激しいカーチェイスのようなシーンと、その日の夕空が美しかったこと。あと、あるシーンの神倉さん。モニターを観てずっと大笑いしていました。それと、この6話を機にUDIのメンバーや木林さん、毛利さん向島さん含め、人間関係がくっきり形作られたというか、グッと強固になった気がしています。事件自体は解決して終了しますが、同時に何か一つの始まりでもあるような、そんな印象を持ちました。
また、東海林は神倉所長と共にUDIラボの立ち上げメンバーで、一方、六郎は一番の新入りでUDIのことは何も知りませんでした。でも今、六郎と東海林の立場が入れ替わりつつあるような…。それぞれが抱えているものが明らかになるにつれ、人間関係のうねりが大きな見どころだと思います。後半はきっと怒涛の如く駆け抜けていくと思いますので、お見逃しのないよう、最後まで楽しんでご覧いただけるとうれしいです。