テレビ観察プロジェクト









★TBS KIDS ZONE
  子どもニュース
とアニメ英単語!

 
保護者・支援者&メディアの輪 ★バックナンバー
1234567

「親から見た子どもたちの成長」
          高知市立旭東小学校保護者代表  小松くに子

小松くに子さん
 6年生の娘にとっても親にとっても初めてのメディアリテラシーの授業。いったいどんなものなのかと時々授業にも参加して子どもたちといっしょに勉強しました。放送された番組を見て「ああ、こんな風に先生方との出会いがあり、多くの人々と関わりを持つことができたんだな。」と改めて感動しています。
 昨年の12月、元気いっぱいの鈴木先生に「テレビを観察してみよう!」と投げかけられた子どもたち。娘も私も「うーーん??」。あまりに生活の中にとけ込んでいて、深く考えたことがありません。頭の中は?でいっぱいになりました。
 続いて冬休みのテレビ観察。熱心(?)にテレビを見たようで、冬休みが終わる頃には「あの場面は感動が盛り上がるような曲を使っている」などとテレビの見方が変化していきました。
 3学期。いよいよ本題へ進んでいきます。子どもたちにに少し自信がでてきたなと感じたのがある日の職員室で「○○へアンケートを取りに行ってきます!」と大きな声で言っている姿からです。番組では元気な音楽が流れる中、学校を出発していく場面でしょうか。この頃に多くの人々との出会いがあったことで、子どもたちの社会性がグンと伸びていくのを感じたことでした。
発表会の様子
 地元テレビ高知での密着取材では、ややもするとテレビ局への注文ばかりになっていたのが番組制作の大変さや事情をしることができ、子どもたち一人ひとりが考えをしっかりと深めることができたように思います。
 2月、16,17日の発表会では自信をもって堂々と発表している子どもたちがいました。どの子も1つのことをやり遂げた満足感・充実感いっぱいの表情を見せてくれました。3ヶ月間でこんなに表情が変わるものかと驚きました。

 ここで、私の娘が成長したなと思う忘れられないエピソードを1つ。私の娘は「環境チーム」。チームが制作した環境ビデオのナレーションをテレビ高知で仕上げる日のことでした。その日娘は塾があってお休みさせていただいていたのですが、午後先生から電話があり、急遽テレビ高知へ行くことになりました。150秒のナレーションを入れるというのですぐ終わるだろうと軽く考えていました。
テレビ高知にて
 ところが、2時に行って終わったのが6時半!映像にあわせ、時間に合わせながら何回もナレーション原稿を書き直したとのこと。親の私にしてみれば、後2週間でお受験です!貴重な時間が…。と正直思っていました。
 暗くなった帰りの車の中で娘が、
「今日は、目先の勉強よりも(入試)これからずーっと役にたつ大事な勉強ができてよかった。」
と私に話すのです。我が子ながら少しまぶしく感じられた瞬間です。

保護者協力者会
 子どもたちの成長を見ながら、私達保護者も協力者会を作りました。大人にもアンケートを取ってみると、メディアリテラシー教育が必要であるという意見がホントに多く聞かれました。それはこの短期間の学習の中で子どもたちが番組内容について自分で考え、見極める力が養われてきた成果からも納得できます。

 メディア規制が騒がれている今、それよりも根本的なものであるメディアリテラシー教育が必要ではないでしょうか。様々な情報がテレビ、インターネットから流れこんでくるこれからの時代、真実を知り、内容を自分自身で判断し見極める力をつけていくこのような取り組みが子どもたちだけで終わることなく続けて行けたらすばらしいと思います。
 そしてそれを形あるものにした子どもたちの「提言書」はとても意義あるものだと思います。また、提言に対するお返事を聞ける授業を設定されていたのも自分たちの考えが認められたという実感をもてて子どもたちは満足できたのではないでしょうか。子どもたちの顔つきから、はにかみながらもうれしくてたまらないという気持ちが表れていてジーーンとこみ上げてくるものがありました。
 最後になりましたが、子どもたちにすばらしい学習の機会をいただいたことに心から感謝しています。先生方、関係者の皆様方、本当にありがとうございました。
                          小松くに子