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 “環境チーム”は、後輩の4年生が総合的な学習の時間で取り組む「水と緑でわが町発見! 江ノ口川変身大作戦」を取材しました。
学校に沿って流れる川壁に絵を描くプロジェクトを指導した、高知高校美術科・増田和剛先生からのメッセージです。

『地域とかかわるアートの可能性』

  最近、行政サイドの町並み景観を考えようと言う取り組みはよく目にします。現に、高知市内も来年に開催される高知国体関係でかなり町並みがかわってきています。町がきれいになってくることは、住む側としては、住みやすく居心地の良ささえ感じる所もありますが、ただ一つ、欲を言えば「人づくり」の部分でも同時に考えていくことが可能であれば、もっと住みやすさがアップしていくのではないかと思います。(生活をする側の意識がかわっていく)
 今回は、「壁画制作を活かした、住みやすい町づくり」を小学生が自ら実行してくれました。(夢を現実の形にしていく計画)この計画を通じて、達成感を体験したことのない若者が増えてきている現状をふまえ、一つの目標に目指して取り組んでいく大切さと、一人ではできないという考えの仲間づくりや、充実感を年齢の壁を越えて、それぞれの立場で考えるのにはいい機会であったと思いました。
よく目にする事ですが、頭で考えてすぐ答えを出してしまう高校生をみていると偏差値教育の限界を感じることがあります。プロセスよりも答えを急ぐ世代が増えてきていることも現実問題です。この問題点は、親の認識の中に子供が幸せで将来困らないモノといえば学力である、と考えているところから始まっていく結果として、今の現状が生まれてきているのだと考えます。今まさに大切なモノは何か考える時期に来ているのではないかと思っています。
出会いときっかけの大切さは、この壁画制作を通してわたしが子供たちに伝えたかったことの一つでした。
K君が壁に絵を描こうという夢がなければ実現しなかった企画です。彼の一言が無ければ高校生とのペイントも実現できなかった事です。つまり、夢を夢で終わらすのではなくてできるところまで、実現してみせるという姿勢と努力を小学4年生の子供たちが体験し、現実のものにしたということは彼らの人生の中で、いつまでも覚えている達成感だと思います。
困ったときや悩んだ時には、今回の出来事を振り返った時に少しでも元気がでてくれることをねがっています。また、学級崩壊とか教育の限界だと言われていますが、私は学校現場を見る視点を変えてみると意外にも明るい明日がみえたような気がしています。(^−^)
どんなモノでも近くで見過ぎてしまうと見えなくなるものです。見方、考え方は、表現につながります。もっと大きな視野で表現を見てあげると生きることにもつながるのです。小学校の取り組んでいる総合学習は閉鎖社会の学校から飛び出し、地域の交流を通じて客観的に学校を見ることのできる機会だとおもいます。
地域の人々は生活のプロです。生きていく事を地域の人たちに経験を通じて教わり、そこに勉強の必要性を見つけだしがんばれる子供たちが誕生してくるなら、昔懐かしい、地域のみんなが一つの家族だった頃の日本にもどれるのではないでしょうか。・・・心が豊かだった頃の日本。いろんなモノが便利になりすぎて忘れて言ったモノや、消えていったモノを総合学習の中で発見できたらおもしろい展開をみせてくれるかもしれませんね。
しかし、一番重要なのは、指導する人のビジョンの持ち方だとおもいます。ここの部分が総合学習を研究の場にするか、遊びの時間にするのかという境目だとおもいます。今後も、私は学校を越えた取り組みをつづけていきたいとおもっています。


高知高校美術科・増田和剛先生