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ベストセラー作家カズオ・イシグロ氏と奇跡の対談 2015.12.23 Wed. 06:00

綾瀬はるかさんが初めてのロンドンで…
原作者で世界的ベストセラー作家カズオ・イシグロ氏と奇跡の対談が実現しました!


『金曜ドラマ わたしを離さないで』では、“生まれてきた意味・生きる意味”を問いかける本格派ドラマとあって、出演者・スタッフとも真摯に物語に向き合いたいとクランクイン前から準備を進めてきています。
綾瀬はるかさんもこの作品、この役を、より深いレベルで理解したいと考えていることを知ったプロデューサーが、原作者のイシグロ氏とコンタクトを取ったところ ぜひロンドンへいらっしゃい。会って話をしましょう と返事をもらい、綾瀬さんは急きょロンドンへ行くことに。
この夏にイシグロ氏が来日した際に一度ごく短時間挨拶を交わしている二人でしたが、その後イシグロ氏は綾瀬さんの出演作品を見るなどして彼女により興味を持ったそう。
執筆とその準備のために一週間のスケジュールが決まっているという超多忙のベストセラー作家・イシグロ氏でしたが、こうして綾瀬はるかさんと奇跡の対談がロンドンで実現する運びとなりました!

イシグロ氏に聞きたいことがたくさんある という綾瀬さんは「わたしを離さないで」を生み出した成り立ちやキャラクターの作り方などを次々と質問…
イシグロ氏もその想いに応え、熱いトークが繰り広げられました。

キャシー(ドラマでは恭子)のキャラクターについてイシグロ氏はどう思っていらっしゃるのですか? の質問にイシグロ氏は 映像作品は(脚本の)森下さんや、はるかさんのそれぞれの解釈が合わさってコラボレーションして作ることがエキサイティング と語りながら キャシーは現実の人物に近いんじゃないかな と具体例をあげて説明してくださいました。

また、綾瀬さんがこの作品の持つメッセージ性について質問をすると、執筆過程の秘話を明かした上で 人生というのは短いということを書きたかった。すべての人は死を迎える。その短い人生の中で避けられない死に直面したときに何が重要なのか、そういうテーマについて書きたいと思った と話し、それを聞いた綾瀬さんはじっと受け止めて考え込むような様子を見せました。

一方でイシグロ氏もすでにドラマの脚本を読んでおり 森下さんが原作の中から新しい部分を探し出して、まるで、そこにあった開けていなかった新しいドアを開けて、なにかを探してくれているようだ。それぞれの役に、役者さんが自分の解釈を加えて新しいものにしていく、というプロセスが映像作品の面白さ と世界で初めてドラマ化されるこの『わたしを離さないで』への期待感を伝えてくださいました。

また、2009年に放送され綾瀬さんが出演した『JIN-仁-』(TBS)のVTRを取り寄せて見た、というイシグロ氏は綾瀬さんの演技力を絶賛!
時代設定という制限のあるなかで医師に対する言葉にならない愛情を表情やボディランゲージでうまく伝えていらっしゃったところは綾瀬さんの演技力の素晴らしいところだと思った と話すと綾瀬が Thank you very much と照れた表情を浮かべる一場面も。


ドラマの話題から“役者と作家という表現者としての違い”など深いテーマにも対談は及び、最後は綾瀬さんがどうしても聞こうと思っていたという「わたしを離さないで」というタイトルにこめられた意味をイシグロ氏が明かし、予定時間を大幅に超えなんと4時間にも及び二人の奇跡の対談は終了しました。

対談後、綾瀬さんは 充実したお話ができて、ロンドンに来てよかったです。自分が思うようにやってください、とイシグロ先生がおっしゃってくださったので、自分が思う恭子という役を素直に演じられたらと思います。ロンドンは初めてだったのですが、街並みや公園もとても落ち着いていて、すごく好きな街です。また来たいと思いました とうれしそうに語り、撮影への手ごたえを感じた様子。


綾瀬はるかさんとカズオ・イシグロ氏の対談は1月8日発売の月刊「文藝春秋」〈2月号〉、またドラマのメイキング番組(TBS内…近日発表!)で放送されるので、お楽しみに!


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