―ドラマが決まったときの感想を教えてください。
以前に『誰か somebody』『名もなき毒』の2つの原作を読んでおりましたので、そのドラマ化に出演のお話をいただきびっくりしました。また、2つの作品を11話の中でどう構成していくのか楽しみにしていましたね。
―第1部(1〜5話)を振り返られていかがですか?
原作の『誰か somebody』にあたる第1部は、原作を読まれていない方は先に進めば進むほど、面白さが倍々に増えていったのではないかと思います。長編の物語を5話でどうまとめるのかなと思っていたんですけど、物語をきっちりと映像で表していらして、すごく見ごたえがありました。私の周りでも、普段ドラマを見ないような人たちが「すごく面白い」ってメールをくれたりして、とても楽しみにしている方が多いですね。ただ、原作を読まれてなくて、犯人捜しが念頭にあるという方の中には「犯人は会長じゃなあい?」なんて犯人を当てようとする人もいます(笑)。
それと、第1部と第2部に分かれる作りというのは斬新で、現場の足並みがそろっていないと難しいことだと思うのですが、キャストもスタッフもチームワークがしっかりとれていて、撮影は順調に進んでいます。
―園田瑛子を演じてみていかがですか?
園田編集長はけっこうな毒を持っていそうですが、逆に意地悪く見えないようにしています。毒を持っていなさそうだけど、実はちょっと毒が出ているなと思われるくらいが良いなと思っているので、原作よりはキュートなキャラクターを意識しています。普通にいるような編集長のタイプ。でも時々チクリ刺すカンジ。
―主演の小泉さんの印象を教えてください。
ものすごく頑張っていらっしゃって、本当に杉村三郎役がぴったりではまり役ではないでしょうか? 物語のいろんなところに毒のある人がいっぱい出てくるので、杉村のような毒に染まっていないリトマス試験紙みたいな人でないと、このドラマは成立しないと思うんですね。小泉さん御自身が酸性でもアルカリ性でもなく見えます。杉村を上手に演じていらして、素晴らしいなと思いながら拝見しています。
―現場の雰囲気はいかがですか?
「あおぞら」編集部の皆さんと、楽しく撮影しています。この夏場の暑い時期に私たちは1回しか外ロケに出ておらず、今後もおそらくセットでの撮影のみになりそうで、涼しい中で撮影させていただいていて、なんだか申し訳ない気がします(笑)。スタジオ撮影のたびに、スタッフさんの顔がどんどん黒くなっているので、外での撮影は厳しくて大変なんだろうなと、少し心配ですね。
―これまでの撮影の中で印象に残っていることはありますか?
第1部の撮影が終わった後に食事会があったんです。それも珍しいことなんですけれど、撮影ではお会いできなかった深田恭子さんなど、「あおぞら」編集部以外のキャストの皆さんとお会いしたんです。その場で、編集部の撮影ではわからない現場の話が色々出ました。「撮影が大変そう」とは思っていたんですけど、実際に話を聞いてみるとやっぱり大変なんだなと思いましたね。
―ご自身で「心に毒を持っている」と思うことはありますか?
しょっちゅうありますね。若いころから、“言って良いのかどうか”と感じる部分に関しては変わってはいないんですけれど、“言って何が悪いの”感はすごく強くなっていますね(笑)。私は毒を吐いているつもりではなく、ストレートに言ってしまう方が相手にもいいかなと思っているんですけど、そう思わない人もいるかもしれないので…。ドラマを観ながら、気をつけなければいけないなと思っています。
―視聴者の方にメッセージをお願いいたします。
ストーリーが進めば進むほど、意外な展開と深い人間模様が繰り広げられていきます。いよいよ第2部がスタートしました。第1部を御覧になっていない方も、ちっとも遅くありません。暑い夏にゾクリと楽しんでいただきたいです。