―ドラマが決まったときの感想を教えてください。
お話をいただいてから原作を読ませていただきましたが、幸せが描かれているだけじゃなく、避けられない毒もあるんだなと、深く考えてしまう作品だと感じました。
―ご自身が演じられる、聡美について教えてください。
聡美は小さい頃に誘拐されていて、そのことによって、今のような聡美になってしまったのかなと思うんです。誘拐事件が無かったら、姉妹との関係性や家族との距離感も違うでしょうし、別の人生を送れていたのかもしれないと考えてしまいます。この先、少しでも聡美に明るい未来があったらいいなと思いますね。
―聡美とご自身で似ている部分はありますか?
私にも妹がいますが、あれこれ言ってしまうところは似ていると思います。やっぱり可愛いからこそ“こうしなさい”“ああしなさい”って、愛情の裏返しではないですが、可愛いからこそ言ってしまいますね。
―聡美を演じる上で気をつけていることはありますか?
梨子のことを可愛いと思い過ぎないようにしています。2人はうまくいっている姉妹ではなく、わだかまりや不穏な雰囲気など距離感があるんですよね。年齢も離れていますし、父親の事件のこともあるので、常に“距離感”は意識しながら聡美を演じています。
―共演者のみなさんの印象を教えてください。
主演の小泉孝太郎さんは、まさに杉村三郎のイメージそのままですね。とても穏やかで、撮影現場もすごく優しい雰囲気に包まれています。南沢奈央さんは、演じている梨子のような天真爛漫な感じや素直な部分を持っていて、本当に愛らしいです。現場でもいろんな話をしていますけど、可愛くて仕方がないですね(笑)。
―これまでの撮影の中で印象に残っていることはありますか?
小泉さんと南沢さんと一緒のシーンのときに、「セリフをどう覚えるか?」という話になったんですけれど、そのときに小泉さんから、「バーや騒々しいところで覚えるのが自分に合っている」ってお話を伺ったことがすごく印象的でした。きっと、独特の空気感をだしているから出来るんだと思いますが…。私だったら、バーでセリフを覚えている人がいたら思わず「何をしているんですか?」って聞いてしまうと思います(笑)。
―ご自身で「心に毒を持っている」と思うことはありますか?
ありますね。私は自分の中に毒を感じるといけないものだと思い、神様に謝ったり、反省したりしていました。でも、このドラマの撮影に入ってから「毒って世の中にあっていいものなんだということがすごく衝撃的で…。なるべく持ちたくないですけれど、これからは自分の中に毒を感じても少し開き直れるかなと思います(笑)。
―視聴者の方へメッセージをお願いいたします。
様々な登場人物の一言ひと言に意味があって、私にとっては人生や生き方について考えてしまうような衝撃を受ける物語でした。見ていただければきっと衝撃を受けるでしょうし、毒について考えることによって周りの毒を回避できたり、楽に生きられるようになると思います。色々なことを考えながら見られる1時間だと思いますので、ぜひ多くの方に楽しんでいただけたら嬉しいですね。