29 第10話、放送終了しました!! part2
そんな現場の緊迫感がピークに達したのは、夕食休憩明けの午後9時頃でした。一度は息を吹き返した龍馬が、むなしくもこの世を去るシーンでは、きっと内野龍馬と過ごした日々が走馬灯のように脳裏を駆け抜けていたのでしょう、いつも穏やかな大沢さんも平常心を保ってはいられぬ模様で、どこかイライラとした雰囲気。龍馬の体に馬乗りになり、「戻ってこい、坂本龍馬!」と叫ぶ場面では、セリフとともに己の感情を爆発させ、声を枯らしながらも持てる限りの力で友を死なすまいと必死になる仁を演じていらっしゃいました。
このシーンも、前作での「緒方洪庵との別れのシーン」を撮影した時のように、幾度かリテイクが重ねられていたのですが…重苦しい雰囲気の中、いま仁の目の前で起こっていることを、まるで自分の身に起こったことのように受け止め、落ち込んでいるかのように見える大沢さんの傍へ自然とやってきたのは、佐分利役の桐谷健太さんでした。桐谷さんは椅子に腰かける大沢さんの後ろに立つと、無言でその肩に手を伸ばし、まるで大沢さんを元気づけるかのように優しく揉みはじめたんです。そして、そこへやってきた咲さんの姿も…。そうなると、大沢さんにもいつものリラックスした表情が戻って、ポツポツと会話も戻ります。『仁友堂』のメンバーによって支えられている仁先生ですが、大沢さんもまた、時には共演のみなさんに励まし励まされながら、大変な撮影を乗り切っていらっしゃるのかもしれませんね。
一度は息を吹き返したものの、残念ながらこの世を去ってしまった龍馬で…
一方で、息を引き取る瞬間の龍馬を演じた内野さんはというと…まぶたを閉じる最期のシーンでは、無念さを表情ににじませ、その目にはうっすらと涙も。「いつかは演じてみたい」と長年思い続けていたという幕末の英雄・坂本龍馬の一生を、2クールに渡って演じ抜いた内野さん。やはり、龍馬役との別れを前にして、自然と涙が溢れてきてしまったようです。彼の閉じゆくまぶたから零れ落ちる一滴の涙は、そのお芝居を見守るスタッフたちの胸をも打ったようで、現場では鼻をすする音さえ聞こえてきました。
いつぞやのインタビュー中には、「それにしても龍馬っていうのは面白い発想をする男ですよね。資料を読めば読むほど、『ああ、本物に会ってみたいな』『この人と話してみたいな』という思いが強くなるんです。一緒にいたらさぞかし面白い男だったんでしょうね。『こんな龍馬だったらいいな』という思いを込めて演じています」と語っていた内野聖陽さん。彼の演じるチャーミングで、ユーモアたっぷりで、男らしい龍馬像は…きっと幕末好きのみなさんの記憶の中にも、ずーっとずーっと大きな存在として生き続けるのではないでしょうか。
そして、あの龍馬が買い求めたかんざしの贈り人も、第10話で明らかになりました。『雪』をモチーフにした美しいかんざしは…龍馬が恋い焦がれ続けた野風へ宛てたプレゼントだったのです。お龍さんの存在にヤキモキしていらっしゃった視聴者の方もいらっしゃるかも知れませんが、この作品の中においては(歴史が変わったからか!?)龍馬は生涯、野風を想い続けていたのでしょうね。
龍馬が野風に惹かれる心理について、「自分になびかない女、凛然といきていく女…それがたまらないんでしょうね、この龍馬には(笑)。だからいくら振られてもめげることはないし、野風には“ずっと自分のアイドルでいてほしい”んだと思うんです。 永遠に、鼻の頭をツンとのばして生きていてもらいたいという願望が、龍馬にはあるんじゃないでしょうかね」と語っていらっしゃったこともあった内野さん。あの魅力的な龍馬ですら虜にしてしまう野風が、どれだけいい女であるかということが伝わってくるエピソードですよね。
”いい女”といえば、咲さんの存在も忘れてはいけませんね(笑)。あと残るは1話のみ、咲の恋心は仁に届くのでしょうか…
お役人からの厳しい取り調べを受ける山田先生
ではここからは、その他のシーンの撮影風景を、写真を交えてご紹介していきます。まずこちらは、仁先生の身代わりとなって痛めつけられてしまった山田先生の撮影日から。
決して”後輩イジメ”ではありません(笑)。ADが代役を務め、”ポジション決め”をしているところです
三隅医師の悪事を暴いたみなさん。揃って記念撮影しました(笑)
こちらは日付変わって、西郷どんの撮影風景です。カメラマン、照明、音声、メイク、AD…とさまざまなスタッフが存在しているのがおわかりいただけるのではないでしょうか
馬にまたがる姿もとっても勇ましい藤本隆宏さんです
こちらは第11話を撮影中の大沢さんです。やってきたのは海!さて、どんなシーンなのでしょうか…
ついに、来週は最終回(54分枠大)です!龍馬を失った仁を待ち受けているのは、一体どんな運命なのでしょうか…。絶対に見逃せない感動の第11話、ぜひご家族揃ってオンタイムでご鑑賞ください!!