インタビュー

佐藤隆太さん[東修介役]

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― 出演依頼があったときの率直な感想をお聞かせください。
ちょっとびっくりしましたけれど、すごく嬉しかったです。僕が演じさせていただいている『東修介』は、心の内に“大きな傷”を抱えている男じゃないですか。見え方としては、無口でちょっとミステリアスで…。そんな“本心では何を考えているのかわからない”ような「影のある役」を僕にということで声をかけてくださったのが、非常に嬉しかったですね。ぜひ、挑戦したいなと思いました。
― 続編からの参加ということで、不安などはありましたか?
もちろん、すごく話題になったドラマなので、途中参加することに対しての“プレッシャー”はありました。でも、東という人物は、この作品の中でも“一匹狼的な存在”といいますか、独特の雰囲気を醸し出している役なので、「他の登場人物とはちょっと違う空気でいいのかな」とプラスに捉えて、自分自身楽しみながら撮影に臨みました。
これがもし、『仁友堂』に加わる新しいメンバ―のような役どころだったなら…確かにちょっと難しかったかもしれないですね(笑)。完全にチームワークの出来上がっているところに加わるのは、やっぱり勇気が要ることですから(苦笑)。
― 撮影に入る前、原作はお読みになったのでしょうか?
(写真)“原作ありき”の作品に出演させていただく場合、たいてい一度は目を通すんですけれど、今回はサラッとに留めておきました。僕が演じている東は、原作とも「年齢設定」や「人物背景」が異なりますし、原作でのイメージにあまりとらわれすぎてガチガチになってしまうのが怖かったので…。参考にしつつも、そこに引っ張られすぎず、冷静に演じようと心がけました。
― 『東修介』を演じるうえで、特に意識されたことは?
毎話必ず出演シーンがあるわけでもないですし、そうセリフも多くないので、「限られた時間の中で、いかに東の揺れ動く気持ちを表現できるか」ということに重点を置いて演じるようにしてきました。東は表情には出さずとも、ずっと“龍馬への恨み”を秘めているという男なので、しっかりと自分の中で気持ちを作っておかないと、クライマックス(龍馬暗殺のシーン)に至るまでの行動に説得力が出ないと思ったんです。数少ない出番の中で、龍馬さんとの距離感を縮めてみせていくのもなかなか難しいものがありましたが、無表情で「こいつ、一体何を考えているんだ?」というふうに見えつつも、その心の内には龍馬さんに対する“憎しみ”と“尊敬の念”が渦巻いている様を意識しながら演じたつもりです。
― 時代劇に出演する「醍醐味」とは、どんなところでしょうか?
殺陣も大好きですし、実際にその時代を生きていた“歴史上の人物”を演じられる楽しみなどもあって、現代劇とはまた違ったやりがいを感じられるところですね。今回は、“偉人”ではなくて“オリジナルキャラクター”を演じていますが、『東』という役をまとって「歴史に大きな影響を与えた人々と絡んでいく」というシチュエーションが、非常に面白いなと感じました。仁先生をはじめ、架空の人物も多く活躍する作品ですが、視聴者のみなさんには「ああ、こんなことが本当にあったかもしれないな」と感じて楽しんで頂けているのなら嬉しいですね。
― これまでの出演シーンの中で、「一番印象に残っている」のは?
(写真)「仁先生に手術してもらったこと」ですかね。せっかく『JIN -仁-』という作品に参加させてもらったからには、仁先生の手当てを受けてみたいじゃないですか(笑)。
もう、あのシーンを撮っているときは、「ああ、『JIN -仁-』に参加してるんだ、オレ」とひしひし感じられて、本当に嬉しかったんですよね(笑)。続編からの途中参加で心細くはあったんですけれど、第1話にしてあのシーンを演じられたときには、ひとつの課題をクリアできたような気分になったというか…。1話にして“仁先生の洗礼”を受けることができた自分はラッキーだなと思いますし、あのシーンが盛り込まれていたおかげで、出演者のみなさんとも距離が縮められたような気がしています。
― 南方仁を演じる大沢たかおさんとのご共演はいかがですか?
以前にも映画で共演させていただいたことがあるんですけれど、今回もご一緒させていただくことができて、すごく嬉しかったです。共演シーンは数少なくて残念なのですが、大沢さんはお芝居に対してすごく真摯だし、過酷なスケジュールの中で相当大変なはずなのにみんなに気を遣ってくださるし、とにかくあったかい方なんですよ。朝、現場に入って「おはようさん」って声をかけてもらえるだけで、すごく気持ちをほぐしてもらえるんですよね。素敵な先輩なので大好きです(笑)。
― では、坂本龍馬役の内野聖陽さんとのご共演はいかがだったでしょうか?
(写真)内野さんとは2007年にNHKの大河ドラマでずっとご一緒させていただいていたので、どこか安心感もありますし、久しぶりに共演できたことが嬉しかったです。あれから数年が経っていて、「あの時と変わらないな」と言われたくないので、気合いが入りますしね(笑)。今回、僕の演じる東は“龍馬さんとベッタリ”という設定だったので、個人的には非常に楽しかったです。
― 印象的だった「ロケ地」があれば、教えてください。
(写真)龍馬さんと2人で訪れた『雪山』が、本当に綺麗でよく覚えています。遠かったですけれど、プライベートでも行きたいなと思ってしまったぐらい。雪の上には僕ら以外の足跡がひとつもなくて、あれは綺麗な景色だったなぁ〜。この歳になっても、見渡す限りの雪を見るとウキウキするんだなと思いましたね。みんなで雪合戦とかしたかったです(笑)。
― 『JIN -仁-』は、「現代人が江戸時代へタイムスリップしてしまうお話」ですが、もし佐藤さんが江戸へ行ったらやってみたいことはありますか?
今とは違う日本の景色を、自分のペースでゆっくりと見てまわりたいです。僕は、できれば携帯電話なども持ちたくないような人間なので、昔のせかせかしていない生活には憧れますね。
でも、実際に東を演じてみて、感じたことなんですけれど…町を歩いていたら、刀を持っている人がウロチョロしている時代じゃないですか。もし、いきなりタイムスリップしてしまったらですよ、こちらは勝手がわからないから、そんなつもりはないのに「無礼者!」といって斬りかかられる可能性もありますよね。だから、実際に江戸へ行ったとしたら、外を出歩くのが怖くて、家にこもってしまうかもしれません(笑)。
―江戸時代以外で、興味のある「時代」や、会ってみたい「偉人」がいたら教えてください。
日本の歴史ではないのですが、僕は『三国志』が大好きなので、そこに登場する諸葛亮孔明(三国時代一の天才軍師)に会ってみたいです。孔明は策略を巡らすとき、いつも手に「ガチョウの羽扇子」を持っていたとか言われていますけど、本当に持っていたのかどうかも気になるので、会ったら確かめたいですね。ちなみに、僕は中華街で買ったレプリカの羽扇子を持ってます(笑)。
― では最後に、視聴者の方へメッセージをお願いします。
東は、最後までちょっと切なさが残る男ですけれど…最後の最後まで、その姿を見届けてやってほしいなと思います。物語もラストに近づいていますが、みなさんの気になっていた謎などもだんだん解けていきますので、ぜひ見逃さずにご覧ください!

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