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2023年8月27日放送「ローヌ川でめぐる4つの世界遺産」

ローヌ川でめぐる4つの世界遺産

南フランスを流れるローヌ川沿いには、世界遺産が4つあります。今回の番組では、ローヌ川の上流から下流に向かって旅をして、それらの世界遺産と南仏の美しい景色をたっぷりお届けします。取材を担当した新宅ディレクターに話を聞きました。

氷河から始まるローヌ川の旅

南フランス・ローヌ川に沿って世界遺産をめぐる今回の番組。源流の氷河からリヨン、オランジュへと南に向かいます。

──今回の番組は「ローヌ川でめぐる4つの世界遺産」ということですが、ローヌ川とはどのような川なのでしょうか?

新宅ディレクター(以下、新宅):ローヌ川は「フランス4大河川」のひとつで、スイスから南フランスにかけて約800kmにわたり南北に流れる川です。その川の近くには「リヨン歴史地区」「オランジュのローマ劇場と “凱旋門”」「アヴィニョン歴史地区」「アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群」の4つの世界遺産が点在しています。

──ローヌ川沿いに4つも世界遺産があるのは理由があるのでしょうか?

新宅:古くからローヌ川では船による交易が盛んに行われていました。そのため、川沿いが発展し、長い歴史を持つ街がいくつもあるのです。今回は、実際に源流から河口まで800km以上に渡るローヌ川の流れに沿って、それぞれの世界遺産だけでなく、道中のさまざまな美しい景色をお見せしていきます。

──まさに「ローヌ川で世界遺産をめぐる」旅ですね。スタートであるローヌ川の源流はどこにあるのでしょうか?

新宅:スイスのアルプス山脈にあるローヌ氷河です。溶け出した水をたたえた美しい氷河湖から渓谷へ流れ出る絶景をご覧ください。その川の流れがフランスへ入り、別の川のソーヌ川と合流する場所にあるのが、世界遺産「リヨン歴史地区」です。リヨンはパリに次ぐフランス第2の都市で、その旧市街などが世界遺産に登録されています。ローマ時代から交易の中心地として栄えた街です。

800km以上にわたって流れるローヌ川。その流れを下る旅はアルプス山脈の氷河から始まります。

──リヨンの見どころを教えてください。

新宅:リヨンは絹織物の産地としても知られています。絹織物の生産が盛んだったことを示すものとして番組で紹介するのが、19世紀にリヨンで発明された「ジャカード織機」です。複雑で美しい模様を自動で織れるようにした機械で、絹織物産業の発展に貢献しました。番組内ではあまり触れていないのですが、このジャカード織機の特徴は、機械の上部についているパンチカードです。このカードの穴の1つ1つによって織機の制御が行われているのです。のちにコンピュータのプログラミングに応用された技術と言われています。

ローマ時代から交易の中心地であったリヨン。絹織物で栄えた街としても知られています。

──とても面白い機械ですね。注目してみます。

新宅:リヨンではほかにも、街の丘の上にあるフルヴィエールのノートル=ダム聖堂を紹介します。その頂に立つ金色のマリア像をドローンで撮影した映像にも注目してください。

──普段は見られない空撮映像、楽しみです。

新宅:今回は、現地の空撮スタッフが数々の絶景をカメラに収めてくれました。リヨンからローヌ川を下っていくと、急斜面に開墾された葡萄畑があるのですが、ここも美しい空撮映像でお見せします。さらに南に行き、川の近くにある街、オランジュでは、世界遺産であるローマ劇場と凱旋門も、ドローンによる迫力ある映像で紹介します。いずれも約2000年前に建てられたもので、ローマ時代の栄華が感じられる建造物です。

オランジュのローマ劇場や凱旋門、急斜面に開墾された葡萄畑など、ドローンを駆使して撮影した絶景の数々をご覧ください。

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