特集
アゼルバイジャン、バクー第43回世界遺産委員会リポート


7月8日(月) バクー世界遺産委員会リポート 第五回
昨日で新しい世界遺産の審議が終わったので、帰国便が出るまでの時間を利用し、アゼルバイジャンの世界遺産「ゴブスタンの岩絵の文化的景観」に行きました。ちなみに、これ以外のアゼルバイジャンの世界遺産は首都バクーにある「城壁都市バクー、シルヴァンシャー宮殿、及び乙女の塔」と今回の世界遺産委員会で新規登録された「シャキの歴史地区とハーンの宮殿」です。

アゼルバイジャンの世界遺産
「城壁都市バクー、シルヴァンシャー宮殿、及び乙女の塔」

アゼルバイジャンの世界遺産
「シェキの歴史地区とハーンの宮殿」
バクーから車で40分ほど。荒涼とした砂漠の中にある、ゴブスタン国立公園に到着。
ここは泥火山で有名です。地下の泥が天然ガスと共に噴出するもので、通常は「ポコポコ」程度ですが、時々、「ボコーン」と大噴出するので注意が必要です。実際、噴出口に近づいて撮影していたところ、突然、ボコーンと泥が噴き出し、泥まみれになってしまいました。しかし、この泥には美肌効果があるそうで、女性の観光客の中にはわざわざ泥を肌に塗りたくっている人もいました。

ゴブスタン国立公園

泥火山

泥火山の噴出口

泥を手足に塗っている観光客
この国立公園内には石灰岩の巨岩がゴロゴロ転がっているのですが、それに刻まれた先史時代の彫刻=岩絵が6000点以上もあります。牛や羊、馬に乗る人や踊る人々など、当時の生活を彷彿とさせる岩絵が至る所に描かれています。

岩絵が描かれている石灰岩の巨岩群

山羊の岩絵

馬に乗る人の岩絵

踊る人々の岩絵
岩には所々に丸い穴が掘られており、雨水を貯めるために作られたものとのことです。また石で叩くと反響する巨岩もあり、これは何かの合図を出すときに使われたものと言われています。
ゴブスタンでは現在も発掘調査は続いており、最近、また新たな岩絵が大量に見つかったといいます。砂漠に巨岩が点々とする景観、先史時代の人々の暮らしを示す岩絵、見応えのある世界遺産でした。

雨水を貯めるための穴

打ち鳴らして合図するための岩
今回の世界遺産委員会では新たに29の世界遺産が登録され、世界遺産の総数は1121となりました。
毎回、委員会の最後に翌年の世界遺産委員会が開かれる場所が発表されるのですが、次回は中国福建省の福州市で開催されることになりました。福建省には福建土楼など4つの世界遺産があります。
世界遺産委員会リポート、また来年、福州市からお伝えしたいと思います。
プロデューサー 堤