放送内容
オーストラリア北部、日本の四国とほぼ同じ面積を持つのがカカドゥ国立公園だ。南側には岩山があるが、北側に広がる平原は雨季には大湿地となる。雨季の間は大地が水浸しとなり、足を踏み入れることさえ難しい。今回は雨季が終わり、乾季の始まった時期に撮影を行った。またカカドゥは文化的価値が認められた複合遺産。先住民アボリジニが描いた「岩壁画」が残されているからである。それは今も彼らの伝統として代々伝えられている。
岩山から海へ200km!
カカドゥ国立公園は南北200km、南の岩山から北の端の海へと向かう。赤い砂岩の岩山からは川が流れ、大平原を蛇行している。川を下ると海沿いは一面の干潟となり、マングローブ林が広がっている。カカドゥの自然は多様な表情を見せるのである。
乾季の始まり
乾季には風景が激変する。水は引き、平原は乾燥してカラカラの大地となる。そこで出会ったのは高さ4mもの巨大なアリ塚。白アリは乾季に枯草をアリ塚に溜め込み、食料とするのだ。乾季にも涸れない不思議な湿地で一斉に咲き誇る白い花園も。
まるでレントゲン!太古の壁画
カカドゥには5万年前から先住民アボリジニが住んでいた。彼らは雨風をしのげる岩のひさしの下で過ごし、自然の顔料で岩壁画を描いた。それは骨や内臓が透けていて「X線画法」と言われる。実はそれは食べられる部位を後世に伝える絵だった。