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2022619日放送

琉球王国のグスク及び関連遺産群 〜 サンゴが生んだ海の王国

放送内容

サンゴ礁の島、沖縄本島。かつてここに、独自の文化を花開かせた琉球王国があった。その象徴は、グスクと呼ばれる世界でもユニークな城。優美な曲線が形作る城壁は世界でも類例を見ない。12世紀から15世紀にかけ、サンゴでできた琉球石灰岩を積み上げて造られた巨大な山城は、300以上も点在する。そして、いにしえより、島の人々が神への祈りを捧げてきた最高の聖地へ。サンゴが生んだ海の王国に迫る。

巨大な山城の謎

琉球独自の山城、グスクの変遷は、その石積み技術の進化史でもある。砕いた石をそのまま積み上げたものから、石材を丁寧に加工、遂には多角形の巨石を互いにかみ合うように積み、強度と耐久性を手にした。だが、グスクがどのようにして造られたのかは謎である。

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琉球王国最大のグスク

王国最大のグスク、首里城。2019年の火事で正殿を含む中心部が消失、2026年の正殿復原を目指す。首里城近くには、王の別邸、識名園があり、また、王墓、玉陵には岩盤がむき出しのところがある。自然に最後までは手を加えない、沖縄独特の美意識の表れである。

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祈りの場としてのグスク

琉球では、木々や岩、岩陰に神が下りてくると信じられてきた。グスクはみな、祈りの場が発祥である。また、ガマと呼ばれる琉球石灰岩の洞窟にも人々は祈りを捧げてきた。古代人の住居であり、墓であり、先祖供養の場でもあるガマは古来より、島の人々とあり続けてきた。

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琉球王国最高の聖地

沖縄の人々は、水平線の彼方に楽土「ニライカナイ」があると信じてきた。最初に神が降り立ったと言われる久高島を望む琉球随一の聖域、斎場御嶽ではかつて、王国の最高神女の就任儀式が行われ、儀式に使われた聖なる水は、今も絶えることなく鍾乳石から滴り続ける。

写真:放送内容

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