放送内容
ドイツの都市カッセルに築かれた「ヴィルヘルムスヘーエ公園」は、18世紀ヨーロッパを代表するバロック庭園。高さ50mの大噴水や長さ350mの階段状の滝。さらに水の芸術と言われる森をめぐる人工の水路。この地方の君主が300年前に建設をはじめ、100年がかりで完成させた大庭園だ。バロック庭園の特徴は見るものを驚かせる巧妙な演出。ローマ遺跡のような水道橋から流れ落ちる高さ30mの滝も圧巻だ。
長さ350m 階段状の滝
小高い山に作られたカスケードと呼ばれる階段状の滝。長さ350mの石段を一挙に28万リットルの水が流れ落ちる。見る者を驚かせるダイナミックな景観だ。さらに階段のテラスには水の力を利用してホルンを吹く石像。こうした遊戯性もバロック庭園の特徴だ。
75万リットル 水を操る庭園
250年前に完成した高さ50mの大噴水は、ポンプを使わずに高低差による水圧だけで噴き上げている。さらに水の芸術と言われる森をめぐる水路には、人工の滝やローマ遺跡のような水道橋。100年がかりで作り上げた75万リットルの水を操る大庭園だ。
火山が生んだ庭園
庭園が作られた山は、かつて小さな火山だった。庭園の森には凝灰岩の石切り場が残されている。凝灰岩は火山灰が堆積してできた加工のしやすい岩石。カスケードの建設などにも使われている。この庭園は火山が生んだ地形と石材を利用して作られたのだ。