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2019128日放送

ウィランドラ湖群地域 〜 1万5千年前に消えた湖の謎

放送内容

オーストラリア南東部の内陸に不思議な砂の世界があります。空から見ると三日月型の砂丘が同じ方向にいくつも見えます。それは太古、豊かな水を湛えた湖の湖岸でした。強い西風により砂や粘土が東の湖岸に堆積、約1万5千年前に湖が干上がると、風や雨に侵食され不思議な景観になりました。この砂丘で4万年前の人骨や2万年前の人の足跡が見つかりました。強風が砂を払うことで、埋もれた太古の人類の痕跡が発掘されるのです。

三日月型の大砂丘

平らな台地に突如あらわれる巨大な白い砂丘。空から見ると三日月型に見えることから「ルネット」と呼ばれますが、これはかつての湖岸。強い西風が湖岸に砂や粘土を運んだことで、東側にだけこんな砂丘ができたのです。

写真:放送内容

カラフルな砂山

かつての湖岸に砂や粘土が積み重なってできたルネットはもろく風や雨に削られます。削られた部分を見ると、下から赤、灰色、黄色の層になっています。その色は湖の水位の変化を表していました。

写真:放送内容

風が発掘 太古の人類の足跡

かつての湖岸ルネットから4万年前のヒトの骨が見つかり、当時オーストラリア大陸に人類がいたことが裏付けられました。2003年には2万年前の人類の足跡が大量に見つかりました。ここに吹く強風が砂を払うことで太古の暮らしの痕跡が発掘されています。

写真:放送内容

魚が語る湖の変化

ルネットから発掘される骨や遺物は、湖の歴史を教えてくれます。その中でも湖の環境や人類の暮らしぶりを伝える重要なものが魚の頭部にある「耳石」という骨。耳石を調べると、湖の塩分が高くなりヒトも住むこともできなくなったことが判明しました。

写真:放送内容

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