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2015年6月21日放送 「サンゴが光る!ジュゴンの島」 ニューカレドニアのラグーン(フランス)

石灰岩が生み出した絶景

ニューカレドニア本島であるグランドテール島は、北部に向かうとガラリと雰囲気が変わる。雄大な自然が広がり、自然が作り出した奇岩が並ぶ猛々しい一面を見せる。ニューカレドニアのイメージを覆す、黒い岩壁と対面した。

─ニューカレドニアでイメージするのは、やはりビーチリゾートやサンゴ礁なのですが、今回はほかの一面も紹介していただけるとのことですね。

石渡:はい。ニューカレドニアを形作る石灰岩は、さまざまな表情を見せてくれます。また、隆起や沈降を繰り返してきた複雑な地形なので、それが絶景を生み出すことがあるのです。美しいラグーンが有名なイル・デ・パンには、水中鍾乳洞もあります。地上で形作られた鍾乳洞が、地盤の変化で海中に沈んだのです。

地上で形成された鍾乳洞が海中に沈んだ水中鍾乳洞。スキューバダイビングのスポットとになっています。

──長い年月をかけて形作られた鍾乳洞が、地殻変動で海中に沈んだのですから、雄大な時の流れを感じますね。ほかにはどんな場所がありますか?

石渡:今回の取材では、本島の北の方にも向かいました。島の南の方は砂浜や石灰岩など、サンゴが下地となった白っぽい土壌ですが、北に向かうとガラリと雰囲気が変わります。本島の北のほうでは、黒い岩が姿を見せます。

本島の北に向かうと、黒い岩壁が現れました。ビーチリゾートのイメージとはまったく異なる雰囲気です。

──白いビーチとはまるで印象が違いますね。北部の岩が黒いのはどうしてなのでしょうか?

石渡:北の土地は、はるか昔のゴンドワナ大陸時代の土地が残された場所なのです。そのため、サンゴ礁で作られた南側の白く透き通った世界とは異なり、険しい印象の岩壁が見られます。そんな中で面白い光景にも出会いました。北部のヤンゲンという街のそばにある「チキンロック」という岩です。やはり真っ黒なたたずまいなのですが、ニワトリにそっくりな形をしているのです。

さまざまな奇岩も人気のスポット。こちらは「チキンロック」。ニワトリにしか見えません!

──面白い岩ですね。番組で見るのを楽しみにしたいと思います。

石渡:ニューカレドニアの黒い岩壁は、「ベストショット」のコーナーで紹介します。美しいラグーンの風景のほかに、このような猛々しい一面があることを知っていただければと思います。

本島の北部に向かうと1500メートル級の山々も。山肌を流れる滝も撮影しました。

世界遺産の奇妙な生き物

ニューカレドニアはマングローブが群生する場所です。北部のヴォーという村のそばには、マングローブの森の中に巨大なハートが描かれています。実はこれ、土地の影響でマングローブの生え方がハートの形になったもの。自然が生み出した奇跡なのです。このハートの形は、ニューカレドニアのトレードマークのひとつになっています。