特集

メコン川のほとりで輝く黄金の古都

ルアンパバーンの町

─植民地時代の文化が残されているのですね。

石郷岡:食生活にもその名残があります。市場には、メコン川の巨大魚や、山で仕留めたであろう小動物の肉などといっしょに、必ずフランスパンが並んでいます。それに、練乳をたっぷり入れた、甘いコーヒーを飲む習慣もあります。またここは、ヨーロッパでは有名な観光地でもあります。

─日本人の観光客は多いのですか?

石郷岡:取材時にはほとんど見かけませんでした。日本で東南アジアの観光地といえば人がごった返すビーチリゾートの方が有名ですが、そういった賑やかな所に疲れた人にはオススメですね。早起きをして托鉢の様子を見ると、仏教が息づいている姿を感じることができます。メコン川の雄大な流れをただ眺めるだけの、贅沢な時間を過ごすのもいいと思いますよ。

ルアンパバーンの町

町の市場は、見どころのひとつ。メコン川で捕れた大きな魚や地元の野菜に混じって、必ず見かけるのがフランスパンです。

─最後に、番組を楽しみにしている視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

石郷岡:日本では知る人ぞ知る場所ですが、実際に訪れてみると、仏教とともに生きている街であることが実感できます。世界でも類を見ない大規模な托鉢の様子や荘厳な寺院、そしてそこに融合されたフランスの建築──東南アジアの山奥で育まれてきた独特の文化を堪能してください。

世界遺産の歩き方

ルアンパバーンは、650年前に人々が象を使って森を切り開き、王国の都として築かれたのが始まりでした。今でも人々の生活の中には象がいます。ルアンパバーンでは、観光客向けの象乗り体験ができます。1時間ほどの体験コースから、象使いの資格が取れる本格コースまで用意されています。