特集

メコン川のほとりで輝く黄金の古都

ルアンパバーンの町

旧市街には新旧さまざまな仏教寺院が建立されています。
ワット・シェントーンは、大きくカーブした屋根が重なったようなルアンパバーン独自の建築物。

─これだけたくさんの寺院が建っているということは、町には僧侶もたくさんいるのですか?

石郷岡:ラオスの男性は一生に1回は出家する習わしになっていて、実際にたくさんの僧侶がいます。ルアンパバーンの町の最も大きな特徴は、街の中に仏教が生きているということです。特に、毎朝行われる托鉢の光景は壮観です。

─朝の托鉢の様子を教えてください。

石郷岡:毎朝4時に起床の鐘が鳴り、朝もやの中、オレンジ色の僧衣をまとった300人の僧侶が、托鉢のために大行列を作って町を回ります。人々は道端に出て、施しをします。取材した女性は、朝、自分が食べる量の2倍のお米を蒸して、半分は托鉢の僧侶への施しに使っていました。これが毎日繰り返されます。

─ここでしか見られない光景ですね。番組の見どころのひとつになりそうです。他にルアンパバーンの特徴はありますか?

石郷岡:旧市街の寺院や住居といっしょに、モダンなコロニアル様式の建物が並んでいます。これは、19世紀の終わりのフランス植民地時代に建設されたもので、現在はほとんどがゲストハウスとして利用されています。このように、仏教文化と西洋建設が融合した場所であることも、世界遺産に登録された大きな理由です。

ルアンパバーンの町

世界最大と言われる規模の托鉢に出かける僧侶たち。子供の頃に出家することも多く、少年の僧侶をよく見かけます。

ルアンパバーンの町

僧侶のための学校もあり、運営費は人々の寄付でまかなわれています。

ルアンパバーンの町

フランス植民地時代に建設されたコロニアル様式の建築物。こういったモダンな建物が旧市街にあります。