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アンデスI「激走!7500キロの大山脈」アンデスII「列車でゆく天空のインカ帝国」

遥か遠くの南米大陸に日本の息吹を感じる

年明けの1月4日、11日の放送は、2回連続でアンデス・スペシャル!南米アンデス山脈周辺にある11カ所の世界遺産が登場します。数々の南米取材を担当してきた天野裕士ディレクターに、番組で紹介する世界遺産と、遠く離れた南米での取材を通して感じた、日本との意外な共通点について語ってもらいました。

アンデスI「激走!7500キロの大山脈」アンデスII「列車でゆく天空のインカ帝国」

─今回はアンデス・スペシャルということで、南米アンデス周辺の世界遺産がたくさん登場しますね。まずは、一回目に紹介する場所から教えてください。

天野ディレクター(以下、天野):第一回の放送は、世界最長7500kmのアンデス山脈を北から南へ下る旅です。様々な特徴を持つ自然を通して、南米の雄大さを知ってもらいます。スタートのワスカラン国立公園は、6000m級の山々が連なり、赤道のそばにあるにもかかわらず数多くの氷河や氷河湖が見られます。

─南米の紹介が、いきなり氷河から始まるというのも意外な気がします。続いてはどこでしょうか?

天野:次に紹介するマヌー国立公園は、アンデス山脈の東側に位置するジャングルです。アマゾン河の源流でもあるマヌー川流域で、たどり着くだけでも大変な場所でした。また一転して砂漠もあります。ナスカとフマナ平原の地上絵は、砂漠地帯に描かれた巨大な地上絵です。さらに、人類の移動の足跡をたどってリオ・ピントゥラスの手の洞窟にも立ち寄ります。これは芸術が誕生する以前の芸術と呼べる作品だと思います。

─高い山々と氷河、未開のジャングル、そして砂漠と、めまぐるしく環境が変わりますね。

天野:海が隆起して生まれたアンデス山脈の自然は、場所が変わるとその姿も大きく変わるのです。最後は、南端のロス・グラシアレス国立公園ですが、ここにも氷河があります。ほかの地域にある氷河は温暖化の影響で氷が小さくなっているのですが、ここの氷河だけはその影響を受けていないという特徴があります。

アンデスI「激走!7500キロの大山脈」アンデスII「列車でゆく天空のインカ帝国」

ペルーの最高峰であるワスカランは、6000メートルを超える山々が連なります。赤道のそばにもかかわらず、氷河が見られる場所です。

アンデスI「激走!7500キロの大山脈」アンデスII「列車でゆく天空のインカ帝国」

アマゾン川の源流のひとつマヌー川流域は、南米のジャングルの奥地。訪れることすら難しい、原生林が広がります。

アンデスI「激走!7500キロの大山脈」アンデスII「列車でゆく天空のインカ帝国」

リオ・ピントゥラスの手の洞窟には、約1万年前の人類が描いた手形が残されています。これは、手を壁につけて塗料を吹き付けて描かれたものです。

アンデスI「激走!7500キロの大山脈」アンデスII「列車でゆく天空のインカ帝国」

氷河で始まり、氷河に終わる南米の凄まじい大自然。南端のロス・グラシアレス国立公園は、もはや南極が近くに感じられる場所です。