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世界最大のオオトカゲ、コモドドラゴンに迫る

コモド国立公園
強い首で死肉を振り回して食いちぎります。
コモドドラゴンの長い舌には臭いを探知できる能力があり、肉の臭いを嗅ぎ付けたドラゴンがどんどん集まってきます。

─いくら巨体のコモドドラゴンとはいえ、自分よりも大きな水牛を襲うとはすごいですね。しかし、どうやって倒すのでしょうか?


江夏:5年ほど前に分かったことなのですが、コモドドラゴンの下あごには毒腺があるのです。噛まれると毒の作用で血が止まらなくなるので襲われた動物は徐々に弱っていき、最後には倒れてしまうのです。

─人間にとっても危険な存在ですね。人が襲われることはないのでしょうか?


江夏:コモド島には集落がひとつだけあるのですが、コモドドラゴンは人々の生活圏でも見かけることがあります。コモドドラゴンの侵入を防ぐため、住居などは高床式になっています。それでも毎年のように、コモドドラゴンに襲われる事故は起きています。そのため、観光客が島内を歩き回るにはレンジャーの同行が必要です。

─そんなコモドドラゴンを撮影するわけですから、取材中も危険がつきまといますね。


コモド国立公園

水牛を襲うコモドドラゴン。下あごの毒腺から出す毒には、出血が止まらなくなる作用があり、噛まれると、いずれ死に至ります。

コモド国立公園

人が住んでいる集落にも、コモドドラゴンが姿を現します。非常に危険な存在ですが、人々はドラゴンと共生しています。

江夏:コモドドラゴンは、寝ているときは基本的に危険はありません。ただし、何がきっかけで攻撃行動に移るのかがわからないので、常に緊張感はあります。例えば、ビニールがこすれる音が聞こえた瞬間に急に攻撃し始めるといったことがあるのです。