特集

大アフリカ・スペシャル I ・II

数々の世界遺産が連なる巨大な溝

─キリマンジャロは、グレートリフトバレーの火山活動が作り上げた最も高い山なのですね。番組に登場するほかの世界遺産の特徴も教えてください。


大アフリカ・スペシャル I ・II

小澤:ンゴロンゴロ保全地域は、同様に火山の噴火でできたクレーターです。300万年前の噴火で形成されました。直径は18キロ、周囲をぐるりと外輪山が取り囲んでおり、崖の高さは700メートルほどです。さまざまな草食動物や肉食動物が生息していて、クレーターの中だけでひとつの小さな生態系を作り出しています。動物だけでなく、マサイの人々もここで暮らしています。


―ボゴリア湖やマラウイ湖などの湖も登場しますね。


大アフリカ・スペシャル I ・II

小澤:これらの湖も、それぞれ異なる特徴を持っています。ボゴリア湖は、火山の成分を含んだお湯が湧きだしていて、普通の生物が生きられないような強アルカリ性の湖です。ただし、そういった場所を好む特殊な藻が繁殖しています。またここはフラミンゴの生息地でもあるのですが、この藻はフラミンゴのエサになっています。この藻には赤い色素が含まれていて、フラミンゴの羽はこの藻を食べることで赤くなったのだそうです。



─フラミンゴのピンク色も、グレートリフトバレーの影響というわけですね。


小澤:そうですね。フラミンゴはグレートリフトバレー沿いにある湖を移動しながら生活しています。一方、ボゴリア湖とは打って変わって透明度の高いマラウイ湖は、色とりどりの魚たちが泳いでいます。しかし実はすべてシクリッドという同じ種類の魚で、敵が近づくと稚魚を口の中に入れて守るという珍しい習性を持っています。