特集

大アフリカ・スペシャル I ・II

数々の世界遺産が連なる巨大な溝

9月7日と14日の放送は、2週にわたって「大アフリカ・スペシャル」をお送りします。アフリカのグレートリフトバレーには、さまざまな特徴を持つ世界遺産が点在しています。数多くのアフリカ取材を担当してきた小澤ディレクターに、それらの集大成とも言える今回のスペシャルについて話を聞きました。



─今回は2回にわたってお送りするスペシャルですね。まず1回目の放送ですが、どういった内容になるのでしょうか?


小澤ディレクター(以下、小澤):グレートリフトバレー周辺にある11の世界遺産を紹介します。アフリカ大陸の東側に南北に伸びているグレートリフトバレーは、地下のマグマが地殻を押し上げ、地表が割れてできた溝です。その規模は巨大で、全長は7000キロにも及びます。1回目の放送では、グレートリフトバレーが生み出した特徴のある地形と、そこで暮らす独自の進化を遂げた生き物たちを紹介します。


―さまざまな世界遺産が登場しそうですね。


小澤:第1回目の放送には、キリマンジャロ、ンゴロンゴロのクレーター、ボゴリア湖、マラウイ湖、そしてシミエン国立公園の、5つの世界遺産が登場します。すべてグレートリフトバレーの影響で生み出され、それぞれ特徴ある地形を持った自然遺産です。



─第1回の見どころを教えてください。


大アフリカ・スペシャル I ・II

小澤:番組は、グレートリフトバレーの北端にあるジブチのアッサル湖から始まります。この湖は世界遺産には登録されていませんが、標高が海抜マイナス153メートルでアフリカ大陸で最も低い場所でもあります。この辺りは地殻が薄く、マグマの活動が活発です。また、気温が50度を超える灼熱の場所なので湖の水が蒸発して煮詰まり、アッサル湖は、死海よりも塩分濃度が濃い湖なのです。


─マグマの活動によって作り出されたグレートリフトバレーが、まだ活発に動いていることを示しているのですね。


小澤:そのとおりです。4000万年前に始まったマグマの上昇が地面を引き裂いて、グレートリフトバレーが生まれました。火山活動も活発になり、数多くの噴火も起こりました。最も大きな噴火でできたと言われているのが、キリマンジャロです。山頂付近には氷河もあるアフリカ大陸で最も高い山ですが、火口からはまだ噴煙を上げる活火山です。