特集

絶海に秘められた海洋生物の宝庫

─ほとんどが水中での撮影になったと思うのですが、今回の撮影で苦労したことは何でしたか?


トゥバタハ海洋公園

愛場:ここは観光地ではありますが、どこに行けば何が撮影できるのかといった情報がほとんどない場所でした。ぶっつけ本番で撮影することになったので不安もあったのですが、取材する立場としては「こんな状況だからこそいいものを撮ってやろう」と逆に燃えましたね。結果的には紹介しきれないほどの多彩な生物に出会い、素晴らしい映像を撮影することができました。特にサンゴの撮影には力を入れました。


―サンゴの撮影は、どのような方法で行ったのですか?


愛場:今回の取材では、サンゴが光る様子を撮影することに成功しました。サンゴには紫外線を反射する特性があります。そこで紫外線を含んだライトを当てると、肉眼では見えない“光るサンゴ”を撮影できたのです。サンゴが光っている姿を見ていると、サンゴが生命体であることをあらためて感じました。この映像は必見です!



─盛りだくさんの番組になりそうですね。最後に放送を楽しみにしている視聴者の皆さんに、見どころをあらためて紹介してください。


愛場:まずはサンゴでできた落差100メートルの絶壁の迫力を見てもらいたいです。そして、環礁に生きる、極彩色の変わった姿の生き物たちをたくさん紹介します。あとは、やはり今回の主役であるサンゴですね。トゥバタハ海洋公園は、実はサンゴ発祥の場所と言われています。世界中のサンゴは、ここから広がったのです。自らが根源であることを示すように“光るサンゴ”の姿を、ぜひご覧ください。


世界遺産の歩き方

トゥバタハ海洋公園は、陸地がほとんどない世界遺産。基本的に船で訪れることになるが、一番近い港から180キロほど離れており、約10時間ほどかかる。ダイビング船で向かうツアーにはコックも同船し、1週間ほど船で宿泊しながら、さまざまなスポットでダイビングを楽しめる。来訪できる期間は1年で約3カ月だけ、そのため1年前には予約が入るという人気スポットなので、来訪したい人は早めに予約をしておくといいだろう。