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富岡に興った経済大国への足がかり

6月29日の放送は、ついに世界遺産に登録された群馬県・富岡市にある「富岡製糸場と絹産業遺産群」です。明治時代の初めに創業した国営工場として知られる富岡製糸場。現地での撮影を終えた江夏ディレクターに、取材を通して見えてきた、産業遺産として登録される理由について語ってもらいました。



─いよいよ世界遺産に登録された富岡製糸場の登場ですね。現地の様子はどうでしたか?


江夏ディレクター(以下、江夏):取材は4月から始まっていたのですが、登録勧告があった4月末以降はお祝いムードが高まっていて、富岡製糸場を訪れる観光客の数も格段に増えました。今では、開門前に人が並ぶようになりました。


―今回、登録された世界遺産の概要を教えてください。


江夏:世界遺産に含まれるのは4カ所です。まずは1872年に建設され、当時世界最大級の製糸場となった「富岡製糸場」。養蚕業の発展を支えてきた養蚕学校「高山社跡」と、近代の養蚕農家の原型を作り上げて海外での蚕種販売などの実績も上げた田島弥平の「田島弥平旧宅」、そして蚕糸の大量生産を実現した「荒船風穴」です。近代養蚕業の発展に大きく貢献したことが評価されました。



写真
左上:富岡製糸場
右上:高山社跡
左下:田島弥平旧宅
右下:荒船風穴
富岡製糸場と絹産業遺産群