特集

2億年分の地球の歴史が詰め込まれた場所

6月1日の放送は、オーストラリア大陸の東側に広がるゴンドワナ雨林を紹介します。太古の地球に存在したゴンドワナ大陸の存在を裏付ける貴重な植物や、周辺に住む珍しい動物たちの話を、取材した石渡ディレクターに聞かせてもらいました。



─今回紹介する「ゴンドワナ雨林」はどのような世界遺産でしょうか?


ゴンドワナ雨林

石渡ディレクター(以下、石渡):オーストラリア大陸の東側、8つの地域に点在する41の国立公園と保護区を含む自然遺産です。元々は1986年に16の国立公園や地域が登録されていましたが、1994年にさらに5地域と20の国立公園が拡張登録され、2007年に「ゴンドワナ雨林」という名称に変更されました。


―それだけの数の国立公園や保護区が登録されているとなると、面積も相当広そうですね。


石渡:広さは全体で3700平方キロにも及びます。名称の「ゴンドワナ」は、地球の大陸移動説に出てくる「ゴンドワナ大陸」に由来します。約2億年前に存在していたと言われる超大陸です。



ゴンドワナ雨林

―どうして「ゴンドワナ」という名称になったのでしょうか?


石渡:この地域には、ゴンドワナ大陸に起源を持つ植物が生えているのです。特にナンキョクブナ科の樹木は、オーストラリアのこの地域のほか、ニューギニアや南アメリカの南端にも自生していて、南極でも化石が見つかっています。これは、これらの地域がかつて地続きであったことを意味していて、ゴンドワナ大陸の存在を裏付けることになりました。ほかにもナンヨウスギなど、ゴンドワナ大陸を起源とする貴重な植物が自生しています。