特集

世界最古の砂漠が育む奇想天外な生物

5月11日の放送は、アフリカ大陸の南西部、ナミビアの沿岸に広がるナミブ砂海です。まるで大海原のように美しく波打つ広大な砂漠と、そこに暮らす変わった生き物たちについて、取材を終えた小澤ディレクターに話を聞きました。



─前回の「シミエン国立公園」の特集記事にも登場していただきましたが、今回もアフリカ大陸の取材ですね。


小澤ディレクター(以下、小澤):前回は東側のエチオピアの高地でしたが、今回はアフリカ大陸の南西部、ナミビアの砂漠です。赤い砂漠としても有名な、「ナミブ砂海」に行ってきました。



―ナミブ砂海の特徴を教えてください。



シミエン国立公園

小澤:世界でも珍しい海に接した砂漠で、2013年に登録されたばかりの自然遺産です。広大な平野砂漠になっていて、砂粒が細かく、波打ったような美しい光景が広がっています。形成され始めたのは実に8000万年前で、世界最古の砂漠のひとつと言われています。



―どのようにして形作られた砂漠なのでしょうか?



小澤:実は海流で運ばれてきた砂が積もってできた砂漠なのです。南アフリカから流れるオレンジ川の流れに乗って2000kmを旅してきた砂が、大西洋に流れ込み、さらに海流に運ばれ、波によって沿岸に堆積したものです。海岸近くの砂は白いのですが、内陸に行くに従って赤くなっていくというのが最大の特徴です。番組では、砂が赤くなっていく秘密を探ります。またその長い歴史の中で、砂漠で生き抜くために進化した、ユニークな動植物も紹介しています。