特集

垂直の断崖を最後の住処とした動物たち

─8日間の連続ロケはたいへんそうですね。宿泊はどうしていたのですか?


シミエン国立公園

小澤:山小屋の中で寝袋を使いました。とにかく夜寒いのがたいへんでしたね。高山病予防のために水分を取るようにしていたのですが、夜にトイレに行きたくなるのが厳しかったです(笑)。いくつかの山小屋に続けて宿泊したのですが、1箇所だけ現地の人が用意した簡易シャワーがあって助かりました。



―公園内に住んでいる人がいるのですね。



小澤:世界遺産に登録される以前から、住んでいる人々がいました。彼らは農業や畜産を営んで、今も公園内で暮らしています。集落も訪れましたが、まさにガスも電気もない生活ですね。彼らは主に大麦を栽培しており、麦芽を発酵させた「ブブニ」という伝統の飲み物をいただきました。ちょっと酸っぱいのが特徴です。



―では最後に、番組を楽しみにしているみなさんにメッセージをお願いします。



シミエン国立公園

小澤:大地溝帯という地球規模のエネルギーが生み出したアフリカの壮大な自然の中で、ここにしかいない動物たちの貴重な映像もカメラに収めることができました。苦労して撮影に成功したその迫力と感動を、ぜひ番組内でご覧ください。そしてこれが、藤原竜也さんのナレーションによる第1回目の放送となります。藤原さんはずっとこの番組のナレーションをすることにあこがれていたそうで、ご本人も楽しみながら収録してくれました。ひと言ひと言を噛みしめるように読んでくれた藤原さんの魅力的なナレーションと共に、番組をお楽しみください。

世界遺産の歩き方

シミエン国立公園はトレッキングなどのツアーも用意されており、観光客でも公園内での登山やキャンプが可能だ。ただしツアーには、野生動物から身を守るために銃を携えたスカウトをガイドとして雇うことが義務づけられている。また、3000メートルを超える標高での行動になるため、高山病への対策は十分に行う必要がある。