特集

石渡ディレクターインタビュー

1月5日と12日は、2回にわたってイタリアの世界遺産の旅をお届けします。
1回目の放送はアルプスから南へ、トスカーナ地方に向かう列車の旅。
2回目の放送は舞台をシチリア島に移し、この地方の複雑な歴史を振り返る旅となります。
イタリアでの長期取材を終えた石渡哲也ディレクターに話を聞きました。

―今回は2014年の最初の放送ということで、2週連続のイタリア・スペシャルですね。今回のスペシャルの概要を教えてください。

石渡ディレクター(以下、石渡):世界遺産を巡りながらイタリアの歴史を振り返る旅となりました。1回目はアルプスから南下しつつ、列車を乗り継いでフィレンツェを中心としたトスカーナ地方を紹介しています。2回目の放送はシチリア島に上陸し、島の歴史にちなんだ世界遺産を回ります。

―数多くの世界遺産を紹介する内容になりそうですが、最初に訪れた世界遺産はどこですか?

イタリア・スペシャルI・II

石渡:ドロマイトという鉱石でできた岩山、ドロミーティです。イタリアは世界で最も多くの世界遺産が登録されている国ですが、自然遺産はこのドロミーティを含めて3カ所しかありません。今回の旅では、1回目の放送でドロミーティ、2回目でシチリア島のエトナ山と、そのうちの2つを紹介しています。

―太古のイタリアから話が始まるわけですね。次に訪れたのはどこでしょうか?

石渡:アルプス周辺の湖に残された世界遺産「アルプス山系の先史時代杭上住居跡群」のひとつを訪れました。4000〜5000年前の住居跡で、アルプス山系の湖にダム開発などで人の手が加わった際に急に水位が下がったことで湖から現れたそうです。周辺の国を含む100カ所以上の場所から見つかっています。その後はボルツァーノという街を起点に、小さな旧型車輌が走る鉄道「レノン鉄道」に乗って、文化遺産であるヴェローナ市街を訪れました。

―イタリアの古い街並みは、世界遺産に数多く登録されていますね。ヴェローナ市街はどんな特徴があるのでしょうか?

イタリア・スペシャルI・II

石渡:ヴェローナは「小さなローマ」と呼ばれていて、街の門などの古代ローマ時代の建造物が残されています。さらに中世から近世にかけて建てられたものも加わり、文豪シェイクスピアの代表作「ロミオとジュリエット」の舞台となった街と言われています。ジュリエットの家やロミオの家とされる建物もあって、観光名所になっています。ロミオの家はレストランになっていて、そこで饗される料理なども紹介しています。