特集

夏のベルギー運河の旅

―観光で訪れた場合、世界遺産となっている中央運河を通る方法はあるのですか?

中央運河の水力式リフト

江夏:現在は、かつての貨物船を使った遊覧船と、一部の船舶愛好家の船が通っています。遊覧船は1日に2回運航していますが、通過できるリフトなどは日によって変わります。各リフトに設置されたエンジン室の見学もコースに含まれています。

―視聴者の皆さんに楽しみ方のポイントを教えてください。

江夏:運河は一般の河川とは異なり、波もなく静かで、見える景色はとにかく“のどか”です。両岸は美しい並木道になっていて、地元の人の憩いの場になっているのも印象的でした。運河というものがヨーロッパには古くから根付いていて、人々も運河のほとりでの生活を楽しんでいるんですね。巨大なリフトや船を持ち上げるギミックなどはもちろん見どころですが、自分たちの船でのんびりと移動する、ゆったりとした運河の旅の雰囲気を楽しんでいただければと思います。

世界遺産の歩き方

ルヴィエールは、ベルギー・エノー州の州都モンスからクルマで20分ほど。モンスはかつて炭鉱の町として発展した歴史を持つ。中央運河近くの4つの炭鉱跡(グラン・オルニュ、カジエの森、ボワ・デュ・リュック、ブレニー・ミーヌ)も2012年7月に世界遺産に登録されており、見学ツアーなども組まれている。炭鉱とそこで生産された石炭が運ばれた運河、少し足を伸ばせば、より深く歴史を味わえるのではないだろうか。