特集

世界遺産への登録間近! 富士山

時代を超えて人々を魅了し続ける山

―番組ではどのような映像を見ることができるのでしょうか?

時代を超えて人々を魅了し続ける山

鈴木:ひとつは、山肌が真っ赤に染まった「赤富士」です。これは通常の夕焼けなどによって赤くなるのとは異なり、山肌が非常に深い赤色に染まった状態で、なかなかお目にかかれないものなのです。

―実際に赤富士が撮影できたのは、どういったときだったのでしょうか?

鈴木:私たちは去年8月中旬、太陽も富士山も雲に隠れていない日の出の際、朝日があたって真っ赤になる富士山を見ることができました。赤色が濃くなるのには、山肌に含まれる水分なども関係しているといわれています。長期取材の中でそうした条件がそろった瞬間をとらえて、葛飾北斎の代表作「凱風快晴」と同じような赤富士を撮影することができました。

―赤富士以外には、どのような富士山の映像が撮れたのでしょうか?

鈴木:気流の関係で富士山から少し離れた場所にソフトクリームを逆さにしたような形状の雲が発生する「吊るし雲」や、富士山が光り輝く「ダイヤモンド富士」を撮ることができました。ダイヤモンド富士とは、山頂に太陽の光が重なり、一瞬だけ美しく輝く現象のことです。また、これらの美しい映像は、番組の随所に散りばめられています。

―富士山の光景のほかに、番組で注目の映像を教えてください。

時代を超えて人々を魅了し続ける山

鈴木:番組では「溶岩樹型」と呼ばれる珍しい自然を紹介します。溶岩樹型とは、噴火時に富士山から流れ出た溶岩が木々を飲み込んでできた空洞のことです。番組では、巨大な樹木が飲み込まれてつくられた溶岩樹型の洞窟をお見せします。

―富士山の美しい景観や珍しい自然現象の数々、今から放送が楽しみです。それでは最後に視聴者へメッセージをお願いします。

鈴木:みなさんが心に抱く富士山には、風景以外にもたくさんの知られざる魅力や場所があります。今回は2週に渡る放送を通して、富士山のそんな一面をお伝えできたらと思います。

世界遺産の歩き方

4つある富士登山道のひとつ、富士宮ルートの頂上付近には三島岳という峰がある。ここは明け方に訪れると、正面に御来光を、振り向くと雲海に映る影富士を拝める絶景スポットだ。日本一高い山から望む日本一巨大な影は一見の価値あり。