特集

第36回世界遺産委員会報告

6月16日より、第37回世界遺産委員会がカンボジアのプノンペンで行われています。その模様を世界遺産のスタッフが現地からレポートしていきます。 レポートは到着次第、特集ページにアップしていきますのでお楽しみに!

カンボジア世界遺産委員会だより 7
6月22日(土)
世界遺産委員会レポート
朝、マスコミに囲まれる近藤文化庁長官と木曽ユネスコ大使

22日、いよいよ富士山の登録審議の日です。朝から、日本政府代表団の近藤文化庁長官、木曽ユネスコ大使への取材にマスコミが集まります。

日本政府代表団は、「午後のセッションの最初に審議して欲しい」と事務局に要望を出しました。こうした各国の都合は、かなり受け入れられるので、現地時間14時30分(日本時間16時30分)から審議が始まる見通しです。日本時間18時までに登録が決定したら、明日23日の「THE世界遺産」は予定を変えて「緊急特集!富士山」を放送するつもりなのですが、審議開始から1時間半で決まるかどうか、微妙な感じです。

世界遺産委員会レポート
紅河のハニ族の棚田の文化的景観(中国)

午前の審議は、昨日につづいて複合遺産の審議から始まりました。

ます、南アフリカの世界遺産「ウクハランバ/ドラケンスバーグ公園」に隣接する、レソトのセサバテーベ国立公園が拡張登録されました。

その後、文化遺産の審議に移り、中国の「紅河のハニ族の棚田の文化的景観」の新規登録が決まりました。広大な棚田が広がる雲南省の景観です。

世界遺産委員会レポート
富士山−信仰の対象と芸術の源泉(日本)

昼休みを挟んで、ついに富士山の審議が始まりました。イコモスの事前評価では「三保の松原は、富士山から遠すぎるので除外すべし」だったのですが、フタを開けてみると、委員国から「三保の松原もいれるべき」との意見が相次ぎ、大逆転。三保の松原もふくんで、富士山の登録が決まりました。決まったのは、現地時間の15時28分(日本時間17時28分)。正式な登録名称は「富士山−信仰の対象と芸術の源泉」です。すぐに東京に連絡して、明日の放送を「緊急特集!富士山」に差し替えることを決めました。

世界遺産委員会レポート
富士山4K映像の展示

実は、富士山はハイビジョンの4倍の高画質を誇る次世代映像4Kでも撮影を進めています。そのさわりを映像展示用に持ってきていたのですが、登録が決まったので、早速、会場の4Kモニターで上映開始。決まってすぐに富士山の美しい映像が流れたので、参加者はびっくりしていました。

その後も審議は続き、カタールの「アル・ズバラの考古遺跡」、ポルトガルの「コインブラ大学 ― アルタとソフィア」、ニジェールの「アガデス(アガデス歴史地区)」、フィジー初の世界遺産となる「レヴカの歴史的港湾都市」、カナダの「レッド・ベイのバスク人の捕鯨基地」が、文化遺産として登録が決まりました。

明日も新規登録の審議が続きます。

世界遺産委員会レポート
アル・ズバラの考古遺跡(カタール)
世界遺産委員会レポート
レッド・ベイのバスク人の捕鯨基地(カナダ)

プロデューサー 堤