特集

世界帝国の地下と辺境に迫る!「大ローマ帝国I・II」

知られざる、ローマの地下と辺境に残されたローマの足跡

―鍾乳石とは歴史を感じますね。もう1つのローマの地下とは何でしょうか?

知られざる、ローマの地下と辺境に残されたローマの足跡

飯塚:もう1つは、発掘現場です。ローマのコロッセオ付近にある、かつて皇帝や貴族の豪邸が集まっていた、オッピオの丘を取材しました。オッピオの丘は、紀元100年ごろにトラヤヌス帝が大浴場を建てた場所です。その浴場跡の地下からそれ以前にあった建物が出てきたということで、現在発掘が進められています。現時点では、どういう目的で誰が建てたものかはわかっていませんが、エリアからいって皇帝か上級貴族のものであることは間違いありません。

―具体的にはどういったものが発掘されているのでしょうか?

飯塚:その遺跡から、巨大壁画が発見され、話題になりました。2011年に新たに発掘された部分には、4人の女性が描かれたモザイク壁画があるのですが、今回の取材でその映像を収めてきました。まだ詳細はわかっていないのですが、美術的に見て非常に美しいものなので、この4人の美女はぜひ番組でご覧になっていただきたいですね。

―1週目でほかに見どころはありますか。

知られざる、ローマの地下と辺境に残されたローマの足跡

飯塚:地下水道を紹介するので、併せてローマ時代の水道橋もお見せします。あと面白いのはアフリカのローマ植民都市に残っている水洗トイレですね。ローマの高い水道技術がうかがえるのでは、と考えています。そのほか注目なのはバイア海底遺跡です。世界遺産のエリアではないのですが、ナポリ近郊の海底にある遺跡で、ローマの貴族たちが建てた別荘が地盤沈下で海に沈んだものです。