特集

世界帝国の地下と辺境に迫る!「大ローマ帝国I・II」

知られざる、ローマの地下と辺境に残されたローマの足跡

―今回の特集のテーマは「大ローマ帝国」ということですが、なぜいまローマ帝国を取り上げるのでしょうか?

知られざる、ローマの地下と辺境に残されたローマの足跡

飯塚ディレクター(以下、飯塚):ローマ帝国は、やはりヨーロッパをはじめさまざまな文化に大きな影響を与えた国なので、番組としては以前から取り上げたいという気持ちがありました。テーマが大きいだけに、満を持して今回2週にわたる特集を組むことになりました。

―ローマ帝国に関連する世界遺産は数多いですよね。個々にはこれまでも番組で取り上げていると思いますが、今回は具体的にどのような部分を取り上げるのでしょうか?

飯塚:1週目はローマの地下に着目して、古代ローマの遺跡の知られざる部分を取り上げています。2週目は大国であるローマ帝国の“辺境”に注目し、各地にいまも残るローマ文化を辿ることで、現代へとつながる文化の礎を築いた歴史を見せたいと考えています。

―1週目の遺跡とは、「ローマ歴史地区」の地下にあるものですか?

知られざる、ローマの地下と辺境に残されたローマの足跡

飯塚:はい、今回はローマの地下の遺跡を新たに2カ所取材しました。1つは「ヴィルゴ水道」という地下水道です。紀元前19年に作られた水道が現在も利用されていて、市内のトレビの泉やスペイン広場の噴水もすべて昔と同じように水が流れているのです。その地下水道を撮影しました。

―地下水道とは一体どのようになっているのでしょうか?

飯塚:映画「ローマの休日」で有名なスペイン広場の傍に、扉があり地下水道への降り口になっています。そこから螺旋階段を24mほど地下まで降りて行くと、水が流れているのです。そこから上流の方へトンネルを進みました。進むにつれて壁に鍾乳石ができていて、2000年も経つと自然の洞窟のようになるんだ、と思いましたね。