特集

小澤ディレクターインタビュー

アフリカ冒険I・II

 4月の「THE 世界遺産」では、1日と8日の2週にわたり、アフリカの世界遺産をお届けします。それに先立ち、アフリカ大陸で最高峰の「キリマンジャロ国立公園」と、絶滅危惧種のヒガシゴリラが生息する森「カフジ・ビエガ国立公園」の両自然遺産で取材を行った小澤ディレクターにお話を聞きました。

―まずは4月1日放送のキリマンジャロ国立公園からお聞きします。日本人にはなじみの薄いアフリカの世界遺産ですが、その中でもキリマンジャロはアフリカ大陸で一番高い山として有名です。6000mに近い山に実際に登ってみた感想を教えてください。

小澤ディレクター(以下:小澤):キリマンジャロを登るには、登山者の多くは山小屋のある東側のルートを行きますが、私たちは反対の西側ルートからキャンプをしながら頂上を目指して進みました。キリマンジャロは裾野が広いので、標高が低いうちは森の中を歩くような感じで意外にも「登りやすいな」という感じなのですが、標高が上がるに従って段々と急になり、過酷になっていきました。興味深いのは高度によって生態系が変化していくことです。

―その変化について詳しく教えてください。

小澤:標高で言うと、3000m以下は熱帯雨林で植物が生い茂っていますが、登っていくと次第に背の低い木々が増えて、やがて植物が生えていない石だらけの場所に出ます。ここまでは高山ではさほど珍しくない光景です。しかし、さらに登り、3800m付近になるとジャイアントロベリアやジャイアントセネシオといった巨大な高山植物が突如としてニョキニョキと生えているエリアに出ます。ここに生えているジャイアントセネシオは8mもあるのです。