特集

津村ディレクターインタビュー

―そのほかに、普段は見られないような映像はありますか?

法隆寺地域の仏教建造物

津村:法隆寺の代表的な建物の1つである、金堂の仏像を撮影したものです。ここには多くの仏像が安置されており、一般の方は外陣という外の廊下から金網ごしにしか見ることができませんが、私たちは内陣と呼ばれる場所に入ることが許可されました。そのおかげで、法隆寺のご本尊の釈迦三尊像などを間近から撮影をすることができました。また金堂については、「修正会(しゅしょうえ)」と呼ばれる儀式を撮影したものも見どころです。これは1300年近く前から続く、日本で最も古い仏教儀式の1つで、夜から夜明けにかけて行われます。一般には非公開のものなので、ほかでは見ることのできない大変貴重な映像です。明かりはロウソクのみということもあり、厳かで神秘的な映像になっています。この金堂で注目していただきたいのは、釈迦三尊像の中央の像で、そのモデルになったのは聖徳太子といわれています。

―聖徳太子がどのような顔をしていたのかを思いながら見ると面白そうです。そのほかの見どころを教えてください。

津村:世界最古の木造建築群なので、それだけに謎めいた部分が多いようです。番組内で取り上げている「不思議」の1つを紹介するならば、「中門の真ん中に、なぜ柱があるのか?」という謎があります。