特集

インド洋の秘境I・II「進化の方舟」マダガスカル〜岩山のサルと森のサル〜

小澤ディレクターインタビュー

岩だらけの環境だと、生物はまったくいないのでしょうか?

インド洋の秘境I・II「進化の方舟」マダガスカル〜岩山のサルと森のサル〜

小澤:一見、荒涼としていますが、このような環境でも、そこに適応した生物が暮らしています。むしろ、厳しい自然環境だからこそ、人を寄せ付けることなく、絶好のすみかとなったと言えるでしょう。そういった動物のひとつが、今回番組内にも登場する「デッケンシファカ」というサルです。デッケンシファカは、岩の所々に点在する植物の実などを食べて生活しています。鋭い岩山から岩山へ跳ねながら移動するので、岩をつかむために手の皮が分厚く進化しているのが特徴です。

正に環境に適した進化ですね。では、2週目の「アツィナナナの雨林群」について聞かせてください。

インド洋の秘境I・II「進化の方舟」マダガスカル〜岩山のサルと森のサル〜

小澤:「アツィナナナの雨林群」は、6つの国立公園にまたがる森林が登録された自然遺産です。まずそのひとつの「ラヌマファナ国立公園」を取材しました。この地域は多い年では降雨量が年間4000mm以上になることもあり、竹がよく育ちます。その竹林に生息する、1986年に発見された新種の「キンイロジェントルキツネザル」というサルが番組の見どころのひとつです。