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インド洋の秘境I・II「進化の方舟」マダガスカル〜岩山のサルと森のサル〜

小澤ディレクターインタビュー

アフリカ大陸の東、インド洋に浮かぶ島国マダガスカル。この島国の生態系は非常に独特です。「THE 世界遺産」では、9月18日、25日の2週にわたり、マダガスカルの2つの自然遺産に焦点を当て、その特徴的な自然とそこに息づく固有の動物たちを紹介します。これらの自然遺産の取材を行った小澤ディレクターにお話を聞きました。

まず、1週目に放送する「チンギ ド ベマラハ厳正自然保護区」について聞かせてください。どのような自然遺産なのでしょうか?

インド洋の秘境I・II「進化の方舟」マダガスカル〜岩山のサルと森のサル〜

小澤ディレクター(以下:小澤):針のように鋭く尖った岩々が立ち並ぶ場所です。岩と岩の間は切り立った崖のようにえぐれており、その深さはおおよそ50m以上で、特に深いものだと100mを越えます。この地形は長い年月をかけて雨が石灰岩の大地を削り作り出したものです。撮影の際には、実際にこの岩山のひとつに登ってみました。

切り立った岩に登るのは大変だったのではないですか?

インド洋の秘境I・II「進化の方舟」マダガスカル〜岩山のサルと森のサル〜

小澤:ええ、ほぼ垂直の絶壁を登るので容易ではありませんでした。誤って落ちたら軽傷では済みません。登っている映像は番組中に出てくるので、その厳しい様子をご覧いただけると思います。岩の頂上には展望台が設置してあり、そこから見ると辺りはすべて針の岩だらけです。まるで巨大な鉛筆が無数に立っているかのようで、他の星に来てしまったかのような印象を受けました。私は今まで多くの世界遺産を取材し、さまざまな風景を見てきましたが、この風景の異質さには驚きました。