特集
6月19日より、第35回世界遺産委員会がフランスのパリで行われています。その模様を世界遺産のスタッフが現地からレポートしていきます。 レポートは到着次第、特集ページにアップしていきますのでお楽しみに!
委員会報告 10
タイとカンボジアで争いになっている世界遺産があります。ヒンズー教の寺院の遺跡で、「プレアビヒア」と言います。両国の国境地帯にあり、たがいにその領有を主張して、武力衝突にまで至ったものです。
26日、今回の世界遺産委員会でのプレアビヒアの扱いを不服として、タイ政府が世界遺産条約から脱退する意向を示し、これに対してユネスコ事務局長が「深い遺憾の意」を表明するという事態になりました。
エルサレム旧市街地のように紛争が原因で「危機遺産」リストに入っているケースもあり、世界遺産もまた国際外交の影響を色濃く受けているわけです。
そんな中で、今日27日、新しい世界遺産の登録審議が再開しました。タイ代表団の姿はなく、会議場にはそこはなとなく緊張感が漂っています。
この日、新たに決まった世界遺産は9件。
エチオピアの「Konso Cultural Landscape (コンソの文化的景観) 」
ケニアの「Fort Jesus, Mombasa (モンバサのフォート・ジーザス)」
ベトナムの「Citadel of the Ho Dynasty (胡王朝の城塞)」
シリアの「The Ancient villages of Northern Syria (北部シリアの古代集落)」
UAEの「The Cultural Sites of Al Ain (Hafit, Hili, Bidaa Bint Saud and Oases Areas)(アル・アインの文化的地域)」
イランの「The Persian Garden (ペルシャ庭園)」
スペインの「The Cultural Landscape of the Serra de Tramuntana (トラムンタナ山脈の文化的景観)」
スイス、オーストリア、フランス、ドイツ、イタリア、スロベニアの「Pile Dwellings around the Alps (アルプス周辺の水辺の住宅)」
トルコの「Selimiye Mosque and its Social Complex (セリミエ・モスクと周辺施設)」
明日もまた登録審議が続きます。
プロデューサー 堤