特集

愛場ディレクターインタビュー

誰もが一度は行ってみたい世界遺産マチュピチュ。
取材を行った愛場ディレクターに現地の様子やその魅力を聞きました。

Q:「プレインカ」の文化はインカの文明に大きな影響を与えたそうですが、その影響について具体的に教えてください。

インカへ続く古代の歴史

A:例えば、「チャン・チャン」という遺跡があり、ここでは王冠などの出土品から、金の加工が盛んに行われていたことが分かっています。インカ帝国はここを支配下に置いたときに、技術者を連れて行き、その技術を吸収しました。インカ帝国は、別名、黄金文明と言われるほどですが、そのルーツは実は「チャン・チャン」にあったのです。このように、2月13日放送に登場する5つの世界遺産には、すべてインカにつながるヒントが隠されていますので、注目してみてください。


Q:インカというと謎が多い文明という印象なのですが、そうした研究が進んでいるのですね。1週目がプレインカの世界遺産だとすると、2週目はどのような世界遺産が登場するのでしょうか?

インカへ続く古代の歴史

A:中心となるのはやはり「マチュピチュ」です。インカ帝国は1533年にスペインに占領されるのですが、その際に遺跡などが壊されてしまい、現存しているものは多くありません。しかし、マチュピチュは山の上にあり、ふもとからは確認できないため、スペイン人に見つかりませんでした。その結果、当時の姿をほぼそのままとどめている非常に貴重な遺跡です。放送では、かつてインカ帝国の首都であり、世界遺産にも認定された都市クスコの映像もあります。


Q:マチュピチュは人気の世界遺産ですね。訪れたい人も多いと思います。山の上にあるというマチュピチュまでは、どのようにして行くのでしょうか?

A:クスコからは鉄道が走っています。鉄道は、発見者の名前にちなんで、「ハイラム・ビンガム号」と名付けられており、ジャングルのようにうっそうと茂った森の中にあるウルバンバという渓谷に沿って整備されています。そこはかつてビンガムが探検の際に辿った道でした。マチュピチュのふもとの街、アグアスカリエンテスまで3時間半ほどの道中には、インカ文明の遺跡があり、ビンガムもこれらを見てこの奥に遺跡があると考えたのでしょう。


Q:マチュピチュには貴重な映像が多いと思いますが、その中でも特に見所となるものを教えてください。

インカへ続く古代の歴史

A:取材をしていた際に、ちょうどマチュピチュで新たな土器と石が発掘され、その映像を撮影することができました。現時点でのマチュピチュに関する最先端の情報で、大変貴重な映像です。また、マチュピチュは石を組み上げて造った遺跡なのですが、この石組みが非常に繊細で、それぞれ形も大きさも違う石が隙間なくきっちりと組み上げられています。この石組みがどのように作られたかを遺跡を修復している職人の方に再現してもらいました。番組では、この驚きの作り方を紹介しますのでぜひご覧になっていただきたいです。


Q:最後に視聴者の方に一言お願いします。

A:数ある世界遺産の中でも、1、2の人気を誇るマチュピチュをはじめ、インカ帝国とその遺跡にはまだまだ謎が多く、人々を惹き付けてやみません。番組ではプレインカと合わせてみることによって、その謎の一端をひも解いてみます。その謎に触れて、少しでも深く興味を持っていただければうれしいです。

世界遺産の歩き方

マチュピチュの観光にはふもとの街、アグアスカリエンテスで宿泊するのが おすすめです。観光客が多いためホテルも多く、設備が整っています。食事 は洋食が多く、ステーキから魚料理まで幅広く楽しむことができ、温泉も整 備されているので快適に過ごせるでしょう。マチュピチュへの直行バスも運 行しており、30分ほどでマチュピチュの入り口に到着します。