特集

山水画を生んだ原風景 都市を愛した印象派

石渡ディレクター&小澤ディレクターインタビュー

11月21日、11月28日の2週にわたり、中国の山水画と、モネやゴッホに代表される、印象派によって描かれた世界遺産を巡ります。そこで今回は、取材を行った石渡、小澤両ディレクターにお話を聞きました。


Q:まず、1週目を担当された石渡さんに伺います。テーマになっている山水画と印象派とはそれぞれどういったものなのか、また、それらの絵と世界遺産との関係を教えてください。

山水画を生んだ原風景 都市を愛した印象派

石渡:山水画は、中国人が心に描く「桃源郷」を墨の濃淡と余白を使った技法で描いたものです。1000年以上前から描かれ続けています。印象派は、それまで宗教画が芸術界の主流だった19世紀後半に、フランス人画家、モネが描いた風景画「印象 日の出」に端を発した絵画の潮流です。印象派以降、画家たちはこぞって自然や町中の風景を描くようになりました。双方とも、現在の世界遺産を描いたものがあります。そこで、絵に描かれた世界遺産から、壮大な時の流れを感じる山水画の世界と、移りゆく時の流れから一瞬の風景を切り出した印象派、それぞれの美の世界の魅力に迫ったのが今回の特集です。