特集
大アマゾン~中央アマゾン保全地域群
Q:そのほかの見どころは?

アマゾン川流域で暮らす人々の様子も取材しましたのでぜひ観ていただきたいですね。ポロロッカが来るアラガリ川沿いに住む人々は、移動手段が船なので家ごとに桟橋が設置してあるのですが、ポロロッカで破壊されることがよくあるそうです。家自体は高床式で波の届かないぎりぎりの場所に建てるなど、川辺で暮らす工夫が見られます。主に水牛を飼っている農家が多いのですが「水牛は水をかぶっても平気、むしろ水に浸かっているのが好きなのでポロロッカは水牛にとってはいいことだ」と現地の人は言っていました(笑)。
中央アマゾン保全地域群でも、水かさの変化に対応するために高床式の家やフローティングハウスで暮らしている人たちがいます。そのフローティングハウスに住む、カワイルカを呼ぶ少女も取材しました。この少女は子どもの頃からイルカに餌を与えていたところ、イルカが懐いて、彼女が呼べば集まってくるようになったそうです。そんな少女とイルカの交流も見どころのひとつです。
Q:最後に番組をご覧になる方へメッセージをお願いします。
アマゾンは、日本のTVや雑誌などで70年代から秘境として繰り返し取り上げられてきた地域です。昔、TVで観たというオールド世代には、アマゾン川のすごさが何も変わっていないというのを実感していただきたいです。また新しい世代には、かつての子供たちが抱いたようなワクワクする気持ちを感じてもらえれば嬉しいですね。“元祖秘境”の神秘の世界をぜひ堪能してください。
世界遺産の歩き方
アマゾン川流域の交通の足は、主に船。水際に建っているホテルやロッジなどが多く、観光スポットへも船を使って移動することがほとんど。アマゾン川下流の街ベレンと上流の都市マナウスの間も、船による数日の旅で行き来することができる。アマゾンの船旅でユニークなのが、ハンモックをベッドの代わりにすること(ベッドの客室がある船もある)。尾賀ディレクターも取材のために乗った船でハンモック生活を体験したそうで「最初は居心地が悪かったのですが、徐々に慣れました。ちょっと疲れたときに横になるには最高に気持ちいいですね。ただし船が揺れて人や物にぶつからなければ(笑)」とのこと。