特集

大アマゾン〜中央アマゾン保全地域群

尾賀ディレクターインタビュー

Q:川が逆流してくる「ポロロッカ」は、どのようにして撮影したのでしょうか?

大アマゾン〜中央アマゾン保全地域群

アマゾン川の支流のひとつ、アラガリ川でボートに乗って水上から撮影しました。ここは大きな逆流が発生する場所として知られる川です。条件としては、河口がラッパ型に急に狭まっていること、川の水深が浅いことが挙げられます。ポロロッカは毎月大潮の日に起こるのですが、その中でも2〜4月に波が最も大きくなるそうです。

Q:実際に見たポロロッカはどうでしたか?

大アマゾン〜中央アマゾン保全地域群

ボートで待機していると、最初は音だけが聞こえてきました。地響きのような「ゴゴゴゴゴ」という音です。「ポロロッカ」という名前は「大騒音」という意味の先住民の言葉が基になっているそうですが、その騒音を肌で感じることができました。やがて波が見えてきて、気がつくと船のすぐ近くまで迫ってきていたのですが、ボートを操る現地の人は慣れていて、波が進んでくる速度が時速40キロでほぼ一定なことを知っているので、迫る波と同じ速さで船を進ませてくれました。おかげで5メートルほどの至近距離でずっとポロロッカを撮影することができました。川岸を見ると、波が木をなぎ倒していく様子が見えるので、すごいパワーなのだなと感じましたね。この撮影では、船上からかなり迫力があるシーンを撮れたので、ぜひ番組を楽しみにしていただきたいです。

Q:撮影のときは、実際にはどれくらいの高さの波が発生していましたか?

3月頭に撮影をしたのですが、事前に「今年は波が高い」という情報を得ていて、実際3メートル以上の大波を撮影できました。また雨季にもかかわらず、晴天で川面が穏やかだった上、光が差していたため、波がはっきりと際立った様子を撮れました。過去のポロロッカの映像は雨季ならではの曇りか、雨の中で撮影したものが多いのに対して、今回は晴れたコントラストのある波の映像を収めることができたと思います。