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大アマゾン〜中央アマゾン保全地域群

尾賀ディレクターインタビュー

大アマゾン〜中央アマゾン保全地域群

1100ほどの大小さまざまな支流に分かれ、全長6500キロにもなる世界最大の川、アマゾン川。5月16日放送の「THE 世界遺産」では、この広大な河川を上流から河口まで取材して撮った貴重な映像をお届けします。アマゾン川河口で起こる逆流現象「ポロロッカ」を取材してきた尾賀ディレクターに、アマゾン川の驚異の自然とそこで暮らす人々の日常について話を聞きました。

Q:今回はアマゾン川の世界遺産を取り上げるということですが、どのようなエリアを取材されたのでしょうか?

大アマゾン〜中央アマゾン保全地域群

今回の番組では、アマゾンの源流から河口まで幅広いエリアを取り上げます。具体的には、まずペルーの自然遺産、マヌー国立公園。ここではアマゾン川の源流に迫ります。そしてマヌー国立公園からおよそ2000キロ下った、中央アマゾン保全地域群ではアマゾン最大の支流ネグロ川流域を取材しました。ここが今回のメインとなる世界遺産です。さらに大西洋まで下ってアマゾン川河口では、大逆流「ポロロッカ」を撮影しました。

Q:中央アマゾン保全地域群はどのような世界遺産なのか、教えてください。

2000年に世界遺産に登録されたジャウー国立公園が、2003年に周辺のマミラウア保護区とアマナ保護区を含めて拡大した自然遺産です。取材は、ジャウー国立公園を流れるネグロ川の流域で撮影しました。ネグロ川はアマゾン川最大の支流で、「黒い川」というのが名前の意味です。アマゾン川の本流であるソリモンエス川がアンデスから流されてきた泥などで濁って茶色なのに対して、ネグロ川は「黒い川」という名の通り、流れが黒い色をしています。岩盤が古く固いので土砂に濁りがなく、またジャングルの木や葉から出るタンニンが染み出しているため、黒ずんだ色になっているのです。

Q:ネグロ川ではどのようなシーンを撮影したのでしょうか?

大アマゾン〜中央アマゾン保全地域群

今回は雨季の取材と言うことで、水没したジャングルに潜って水中の映像を収めました。アマゾンというとじっとりと湿ったジャングルのイメージが強いかと思いますが、一年中多雨というわけではなく、雨季と乾季ではっきりと雨量が違います。そのため季節によって川の水深が10メートルほど変わり、乾季は岸だった部分が雨季では水没します。ジャングルが水に浸かった場所では、川の魚が繁殖を行います。そうした水中のジャングルの様子を捉えました。