特集

超時空スペシャル

日下ディレクターインタビュー

Q:編集中に感じたこと

今回編集しながら感じたことは「世界って昔の方が広かったんじゃないかな?」ということ。 紀元前1万年前〜2万年前、フランスやブラジル、オーストラリアなどなど世界中で岩絵が描かれていました。移動のための手段がない時代に、同じような方法で同じようなものを描いていた人類。根源的な芸術に対する欲求は、世界どこでも不変なのかもしれません。

超時空スペシャル
その後各地で独自の文明が築かれますが、ヨーロッパとアジアでは全く違うわけで、南米でも独特な文化があり、その当時から残された文化遺産はどれも魅力的な輝きを放っています。

時代が進んで航海技術が進むと、より遠くへより頻繁に行けるようになりました。 新大陸が発見されて多くのヨーロッパ人が移住し、宗教や文化が入り混じり「ヨーロッパ風」が広まりました。19世紀〜20世紀にはさらに情報の伝達は加速して、ヨーロッパの天才やモダンなものがあっという間に世界に伝わり、いつの間にか世界で似たような建物だったり食べ物だったりが増えてしまいました。長い歴史の中、世界中で同じような岩絵を描く時代があったり、全くバラバラの道を辿った時代があったり、かと思えばよく似た物を作り始める時代があった。これがさらに先の30世紀とかに、また各自独自のものを作り始める時代が訪れるのかもしれませんけど…(笑)。

こうやって時空という切り口で見比べると、昔の人ってすごいですよね…。片や石の文化、片や日本のような木の文化など独自の文明が育まれ、遠くを知らない分、同じ人間なのに場所によって美に対する意識や価値観もまったく違ったりしていた時代があった。 それってすごく面白いと思いました。

Q:苦労した点とは?

どの時代にするか、決めるのに時間がかかりました。なるべく魅力的なサイトで構成できるように、「時代」を選んだつもりです。