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2010年9月12日放送
泰山

パワースポット・天壇

泰山を詣でた最初の皇帝は、秦の始皇帝でした。目的は「封禅の儀」を行うためです。それがどんな儀式なのかを知る手がかりとして、北京にある世界遺産「天壇」を紹介します。天壇は現在、人気のパワースポット。
皇帝が天に祈りを捧げた天心石は、記念写真を撮る観光客でいっぱいです。
「封禅の儀」は、始皇帝が泰山に壇を築き、天と地に祈りを捧げる儀式だったのです。

泰山豆腐

泰山で美味しいものは水と豆腐。麓の村で昔ながらの豆腐作りを紹介。
そして、レストランでの豆腐料理も紹介します。

泰山は複合遺産ですが、文化的価値が高く、登録理由6項目のすべてを満たしています。他には「ベネツィアとその潟(イタリア)」「敦煌の莫高窟(中国)」しかありません。泰山は自然遺産の要素もあわせ持つ、世界でも類を見ない世界遺産なのです。

古来、泰山は中国で最も重要な山とされてきました。泰山を知ることは、中国の歴史を知ることです。儒教の開祖・孔子の生まれた山東省にあり、2500年前泰山に登った孔子は思いました。「泰山に登れば、人間の世界はなんと小さく見えることか」。泰山は標高1500mほどですが、6600の石段が続きます。
山頂は「天の街」と呼ばれる道教の聖地。庶民に親しまれた山岳信仰です。
今回は、麓から頂までの石段を登ります。登坂中、多くの文人墨客が岩に刻んだ文字や書に出会います。絶世の美女・楊貴妃との恋愛で知られる唐の玄宗皇帝も岩に書を記しました。庶民から皇帝までも崇める山。その頂から望む絶景は、雲海の彼方から登るご来光です。
中国人は、神秘の光に包まれながら泰山に祈りを捧げてきたのです。